東洋のガラパゴスと呼ばれ、地球の歴史の中で1度も大陸と繋がったことのない小笠原諸島。
そんな絶海の孤島には独自の進化を遂げた固有の生態系があります。
独自の生態系、その大自然から世界自然遺産にも認定され、多くの人々を魅了してきました。
今回はそんな小笠原諸島のダイビングの魅力を徹底的にご紹介します!

ダイビングを始めたけど、もっと海の魅力を知りたい方。
純粋にダイビングを始めてみたいと思っている方。
日本の海って本当にすごいんです!
これを読んだら、もう小笠原諸島でダイビングしたくなること間違いなし。
小笠原ダイビングの魅力①
”ボニンブルー”と呼ばれる日本で1番青い海
小笠原諸島の海はとにかく青い!!
透明度30mオーバーも珍しくなく、スコーンと抜ける青い海が広がっています。
そして小笠原の海は他の海に比べて、とにかく濃い。深く濃い青色をしているんです。
沖縄とは違った完全に外洋の混じり気のない青色をしています。
そして小笠原固有の混じり気のない青い海を”ボニンブルー”と呼ぶようになりました。
このボニンブルーの海は潜っているだけでワクワクするし、「その先に大物がいるのではないか?」と僕らをソワソワさせます。

真っ直ぐな青!
普段は透明度に感動しない僕も小笠原に来た時だけは、この青い海に感動します。
そしてその青い海の先には期待を裏切らずマグロやサメなど大物が泳いでいることが良くあるんです。
小笠原ダイビングの魅力②
圧倒的な魚影に囲まれる

まさに魚が壁のように群れるとは小笠原の海のこと。
こんなウメイロモドキの壁に圧倒されることもあります。
これが日本の海だって信じられますか!?
僕は衝撃を受けました。
まるで映像の世界に入ってしまったような迫力。
もう感激し過ぎて声なんて出ませんよ。
小笠原諸島ではウメイロの仲間は非常に多く群れていて、他にもクマザサハナムロやタカサゴ系の群れにも遭遇します。
しかし、小笠原で1番感じて欲しいのは群れの多様性です!

いわゆる根魚と言われる移動するタイプの魚ではなく岩やサンゴ礁の周りに群れる魚がとにかく多いんです。
上の写真のようにヨスジフエダイが群れていたかと思えば……

アジアコショウダイが玉のように群れている場所があったり、

こんな感じにぐっしゃりと根魚が固まっていたり、

これとか、一体何種類が群れているんだろう?
とにかく小笠原の海は1種類の魚が、ぐちゃっと群れているわけではなく、ホントに多種多様な魚が群れているんです。

ここ小笠原でしか見れない景色があります。

他にもシーズンによってはギンガメアジが群れたりもちろんマグロが群れたり、トビエイの群れもめちゃくちゃ有名ですね。
とにかくその圧倒的な魚影の濃さに圧倒されて下さい!
小笠原ダイビングの魅力③
ここでしか見れない生物が多い

小笠原でしか見れないわけではないですが、小笠原でダイビングをするなら見ておきたい生物がいます。
まず、このユウゼンは小笠原では当たり前のように泳いでいますが、日本固有の種でアクアリストの間では1匹5万円など高額で取り扱われるほど貴重な魚です。
日本でも小笠原諸島と八丈島、三宅島くらいでしか見れません。
毎年冬から春にかけて小笠原ではユウゼンが群れるそうです。(僕も見たい!)
それをユウゼン玉と言い、小笠原特有の光景になっています!

一見地味ですが、この真っ赤なベニゴンベも日本でこんなに見れるのは小笠原くらいでしょう。
ハナヤサイサンゴなどエダサンゴのスキマを見ると、どこにでも隠れていて完全に普通種として扱われています。
少し臆病ですが、じっと待っていれば観察できますよ。
マニアックなダイバーの方はベニゴンベに感動すること間違いなし!

ニラミハナダイも日本で見れるのは小笠原くらいでしょう!
水深40m前後の深場に行けばコロニーがあるらしいのですが、僕が見たのは水深18mの浅場でした。
ニラミハナダイは1度見ると虜になってしまうほど美しい。
こんなカワイイ生き物がいても良いんだろうか。
ニラミハナダイについて詳しく書いた記事もありますので気になった方は、ぜひ合わせて読んでみて下さい。

このイスズミの群れにも小笠原独特の光景があります。
黄色の個体めちゃくちゃ多くないですか?
小笠原のイスズミの仲間には黄化個体や体が白っぽい体色になるアルビノがたくさんいるんです。
不思議……
イスズミの仲間は小笠原には非常に多く、ササヨと言う名前で親しまれています。
どこにでもいる魚ですが小笠原に来たら、ぜひ注目してもらいたい1種です。
小笠原ダイビングの魅力④
誰もが息を飲む大物に会う

絶対に会いたいシロワニ!
小笠原に来たらやっぱり水中でシロワニ遭遇したいですね。
大きさは約2m、僕よりも全然大きいです。
毎年冬の時期は湾の穏やかなところに集まってくるため高確率で見れるんだとか。
夏場も父島から2時間のケータまで遠征できれば見れる可能性は大!
シロワニについて詳しくは上の記事でどうぞ!

ホワイトチップシャークは通年会えます!
シロワニに比べるとサイズが小さいため目立ちはしませんが、様々なところに隠れています。
洞窟内とかで会うと一瞬ヒヤッとしますが、シロワニと同じく大人しいサメなので襲われる心配はないので安心してください。
ちなみにホワイトチップの由来は背ビレの先が白くなっているから。和名はネムリブカと言います。

イソマグロは魚影で紹介しようか迷いましたが大物で!
小笠原周辺の海域には多く生息しています。
小笠原ではケータ列島のマグロ穴のイソマグロが非常に有名で数々の雑誌などで表紙を飾りましたが、実は父島周辺にも多くのイソマグロが生息しています。
ケータ列島まで行かなくてもイソマグロの群れは見れちゃうんです。
暗がりから、すーーっと出てくるイソマグロの凛々しさは鳥肌ものです。
まるで大砲が通り過ぎたのでは?と思う程の迫力があります。

マダラエイも多いです!
小笠原屈指の人気ポイント「閂ロック」では5枚くらいのマダラエイが飛んでいて、まるで絨毯が移動しているようでした。
後ろの人と比較しても、その大きさに驚愕しますね。

あ、もちろんウミガメもたくさんいます!
小笠原はウミガメの産卵地としても有名で多くのウミガメがビーチにタマゴを海に来ます。
保護活動も盛んでウミガメと深く根付いた文化があるんです。
年間で100頭までしか取ってはいけないなど、キチンとルールが定められており大変貴重な文化として今も残っています。

小笠原ダイビングの魅力⑤
戦争で沈んだ船や荒々しく大迫力の地形

小笠原の父島や兄島の周辺には戦争で沈んだ多くの船が眠っています。
この写真は伏潜艇と言われるポイントで冬の時期にシロワニも出る場所です。
こんなガッツリ大砲が残っているなんてビックリです。

他にもドブ磯の水路も地形ポイントとして感動できるでしょう。
2つの大きな岩に挟まれた水路を通ることが出来るのですが、このポイントは波が良く当たるポイントで頭上で波が砕けています。
そのため水面が泡で見えず雲がかかっているようになります。
この水路にはマグロやホワイトチップが隠れていることも多く、大物ポイントとしても魅力的です。
小笠原ダイビングの魅力➅
休憩中にクジラやイルカ登場

ダイビング中だけでなく、水面休息の時間も侮れません!
小笠原には毎年冬の時期に12月~4月くらいまで多くのザトウクジラが子育てのために訪れます。
非常に個体数が多く、ダイビングの移動中にほぼ見れます!
時にはこんな近くでテールスラップ(尻尾をあげる)をすることも!
ここまでクジラが近いとダイビングするのを忘れてホエールウォッチングに夢中になりますね。

もちろん移動中にイルカが見れることもあります。
小笠原にはミナミハンドウイルカとハシナガイルカが生息しています。
ハシナガイルカは、ジャンプなどを見せてくれますが、臆病なため一緒に泳ぐのは難しいです。
それに対してハンドウイルカは人懐っこく運が良ければスイムすることも出来ますね!
ホエールウォッチングの魅力は上の記事にまとまっていますので、ぜひ見てみてください!
小笠原ダイビングの魅力⑦
奇跡が起こる海

そうなんです。
こんな奇跡が起こってしまったんです。
この写真に写っているの僕ですよ!!
ちょっと、やばくないですか?
水中でザトウクジラのペアに出会ってしまったんです!
詳しくはこちらの記事に溢れる思いがつづられています。
当時の生の感動があふれでている。
一生忘れることの出来ない経験です。
こんな奇跡が起こるかもしれない。
何が起こるかわからない小笠原の海。
潜らないわけにはいかないですね。
小笠原諸島への行き方

小笠原諸島に行く唯一の方法は1週間に1本の定期便・おが丸に乗っていくことです。
しかも、この船旅24時間かかるんです。
24時間船の上で生活をするっていうと、大体の人が「えっ」って顔をされますが、おが丸の中はレストランやバー、売店が揃っていて想像以上に快適です。もちろんシャワーも無料で快適に浴びることが出来ますよ!
移動中は伊豆七島が見えるのは、もちろん太平洋に浮かぶ島々をのんびり眺めながら航海する時間は至福の時です。
忙しい日々の全てを忘れてリラックスするにはこれくらいの何もない時間が必要なんではないでしょうか。
おが丸の快適な過ごし方はダイバーズ学園のページにまとページにまとめておりますので良かったら読んでみて下さい。
最後まで感動の小笠原旅!
小笠原といえば、最後の最後まで気を抜いちゃダメなんです!
1週間の滞在を終え東京に帰る最後の一瞬まで感動を与えてくれます。
島をあげて観光客の僕らを見送ってくれるんです。
「カーンカーーン」と出航の合図とともに、船が離れていく景色を見ていると、涙が出そうに。
小笠原の人々は僕らを送る時に必ず「いってらっしゃい」と声を掛けてくれます。
それは小笠原にいつでも戻っておいで。いつでも待っているよ。ということなんだそうです。

最後は、ダイビング船がおが丸を追っかけて来てくれます。
これが小笠原流の別れの表現です。
最後は「ありがとう。」の一言とともに船から海に飛び込んで別れを告げます。
カッコイイし、最後の最後まで感動させてくれる。
まとめ

最低でも5泊6日のスケジュールが必要な小笠原諸島。
確かに行きづらいのは事実です。
しかし!
「ここにしかない大自然!そして暖かい人々!」が待っています。
絶対に行って後悔はないでしょう。
ぜひ人生に1度は行ってみて下さい!!
大げさではなく一生忘れられない経験に。
人生が変わる経験になるでしょう!
- ”ボニンブルー”と呼ばれる日本で1番青い海
- 圧倒的な魚影に囲まれる
- ここでしか見れない生物が多い
- 誰もが息を飲む大物に会う
- 戦争で沈んだ船や荒々しく大迫力の地形
- 休憩中にクジラやイルカ登場
- 奇跡が起こる海
今回お世話になったショップは
PAPA’S DIVING STUDIOさんです。
小笠原諸島父島の大村地区にあり、リゾートからアクティビティツアーまで小笠原の観光をすべて兼ね揃えたショップになります。もちろんダイビングもコースディレクターの航星さん率いる万全の体制です。
間違いなく楽しい小笠原滞在になるでしょう!
ちなみに父島より更に南にある手つかずの大自然広がる母島の情報が知りた方はこちら!
母島の海は父島よりも手つかず感あって面白い素の海が広がっています!
小笠原の魅力をYouTubeでも公開中!!
写真だけでは伝えきれなく、文章だけでは伝わらない。
そんな海のリズムやざわめきを伝えたくて映像でも小笠原の魅力を発信しています!
良かったら合わせて読んでみてください!!