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本当は誰にも教えたくない未開の海!すべてが驚きの鵜来島のダイビング

高知県の西南端、黒潮の流れる太平洋に突き出るようにある島が人口20人の鵜来島(うぐるしま)です。

この小さな島には車が1台もない本当に小さな何もない島。

しかし、その海の中は文明とは反比例するように豊かで多種多様な環境が、そして様々な生物が住み着く、驚きに溢れた海なんです。

鵜来島(うぐる島)でダイビングをすると思わず、「なんだここは!」そう叫びたくなるほど未知な光景や珍しい光景に出会うことができます。

しげ
今回は少し長いですが、鵜来島(うぐる島)でのダイビングについて、どの記事よりも長く詳しく解説します!どうかお付き合い下さい。

鵜来島には不思議な光景が広がっている

ハナオコゼ

鵜来島でダイビングをして1番最初に感じたのは、ここの海は他と違う雰囲気があること。

もちろん高知県の最西端、関東から車で10時間以上かけて来ています。その補正もあるのかもしれませんが、明らかに今まで見たことない景色が広がっていました。

僕が事前に鵜来島の情報を調べていて出てくるのは、マクロがとにかく面白いということ。

確かにこの海は黒潮に乗ってやってくる生き物が、まるでこの海域にたまっていくような。
それくらい様々な珍しい生物で溢れています。

こんなにも珍しい生き物が密集していて、簡単に見つかるのもすごい事なんですが……

ダイビング中見るものが本当に新鮮な光景でめちゃくちゃ面白かったです。

例えばソフトコーラルをとってみても、こんな生え方見たことありますか?

一面ソフトコーラルの光景

まるで林のように一面ソフトコーラルが生い茂っている。

まるで誰かが植えたソフトコーラルの人工林のような不思議な光景。

ソフトコーラルの豊かな景色は伊豆などにもたくさんありますが、こんな砂地からニョキニョキ生える光景は初めて見ました。

しかもこのソフトコーラル一部じゃなくて広範囲に広がっているから、よりすごい!

写真には全然写りきらないほどすごいので、
ぜひ記事の最後に貼ってある動画で全体を見てもらいたい。

びっしりと咲くソフトコーラル

少し深いポイントにはなりますが、こんな光景も!

人工物から垂れ下がるようにモリモリ生えるソフトコーラル!

ここも不思議なのが周りはガレ場でコーラルなんて全く無いのにここだけ、びっしり生えているんです。

三重県の尾鷲にもこういった景色がありますが、他じゃなかなか見ない光景ですよね。
すごい!

ヒゲハギ

こんな、「なんじゃこりゃ!」って言いたくなるような生物に出会うこともあります。

ヒゲハギというカワハギにもじゃもじゃをつけた生き物なんですが、狙って会える生き物では無いし、非常に珍しい種。
こんな生き物にも出会えてしまうのが、鵜来島のダイビングのすごさでもあります。

ヒゲハギのアップ

ほとんどカワハギなんですが、カワハギとは違う圧倒的な存在感を放っている。

ヒゲハギもそうですが、鵜来島では初夏の時期はアカグツという深海魚が狙える日本で唯一のポイントだったり、ボロカサゴが高確率で狙えたりと、奇跡のような海なんですね。

ただの人気生物だけじゃなく、知る人ぞ知る激レアな生き物に会えるのもすごいんです!

モリシタダテハゼ

その中でも僕が1番感動したのはこのモリシタダテハゼ!

もう鵜来島でダイビングするなら必ず見て下さい。

それくらい貴重な種です。

よく珍しいハゼとしてアケボノハゼやシコンハタタテハゼ(ヘルフリッチ)が出てきますが、それよりも全然モリシタダテハゼの方が珍しいのではないでしょうか。

日本で狙えるのは小笠原諸島の深場だけくらいかもしれない。

なのに鵜来島では水深30mくらいに、わんさかいます。
深場の普通種かってくらい。

このハゼの面白さは後半にも出てきますが、本当にすごいですよ!

ミカヅキツバメウオ

あとは黒潮から流れてくる浮遊系の生き物もめちゃめちゃいるんです。

鵜来島は生き物たちが黒潮に乗る生物の行き着く場所なのか浮遊している生物が本当に多い。

ミカヅキツバメウオとかハナオコゼとか普通1個体いれば喜ぶものが、ダイビングの合間に休憩中とかに陸から探せるくらい、いっぱいいるんです!

鵜来島のマクロだけじゃない魅力

ツノダシ

もちろん、鵜来島のダイビングはマクロがメインでめちゃくちゃ面白いんですが、ワイドも十分楽しめるんです!

鵜来島はダイビングではマクロが有名なんですが、釣り人の間では大物が釣れることで有名なんです。
あまり行かないそうですが外洋にはハンマーが出るような大物ポイントもあるそうです。

ツノダシ群れ

例えば、沖ノ島エリアに遠征して潜った時はこの時もマクロでスミレナガハナダイの婚姻色を狙いに行ったダイブだったのですが、まさかのツノダシの群れの登場!

突然こういう光景が現れるからびっくり!

キンギョハナダイ

またやっぱり魚の数は多い!

このポイントではキンギョハナダイもこんな量群れていました。

でもみんなマクロだから、あんまり興味なし。

もったいないと思いながら、僕も数枚写真撮ったら、マクロの生き物に夢中になってるから人のこと言えないのですが……

イサキの群れ

イサキやメジナといった魚の魚影もすごいです!

黒潮に乗って流れてくるプランクトンを捕食しているのか潮が淀むような場所や少し白ににごりしたところには、決まってこんな感じで群れています。

確かにこれは釣り人からしたら、たまらない光景ですよね!

ソフトコーラルの群生

さきほど不思議な光景として紹介したソフトコーラルの林などもワイドで撮って面白いですし、

巨大なソフトコーラル

手付かずの海にはこんな巨大なオドリカラマツが生えていたり。

どのポイントもマクロがやっぱり面白いんですが、ワイドでも十分楽しめる!

ワイドだけ狙いにこの島で潜るのは、もったいないですが……

マクロだけはちょっと嫌だな。

って人も十分楽しめるし、独特な海の雰囲気は面白いと思います!

甲殻類好きにはたまらない鵜来島

ワライヤドリエビ

お待たせしました!
ここからはマクロ生物の魅力を紹介していきたいのですが、やっぱり1番面白いのは甲殻類!

珍しいものから変わった生き物まで!
エビカニ好きの人は夢中になること間違いないです。

ワライヤドリエビ2

まずは、このワライエヤドリエビ!

エビカニ好きのバイブルとも言える『エビハンドブック』の表紙を飾っている生き物です。

ハナガタサンゴの種類によって背景が全然違う色になるのも写真を撮っていて面白いですし、にまっとした表情が愛くるしくて、めちゃくちゃ可愛い!!

このサンゴにはたくさん付いていて大小合わせて5個体ほどついていました。

でも、本当によくこんなの見つけるなとガイドには頭が上がりません。

アシビロサンゴヤドリガニ

他にもずっと見たかったのがこのアシビロサンゴヤドリガニ!

サンゴの隙間に隠れるカニはよくいますが、サンゴに穴を空けて住むカニの仲間。

このフォルム、そして色合いハンパなくないですか?

実はどこにでもいるカニなんですが、「最初柏島で見つかって……」という話を聞いてから、やっぱり高知県に来たらこれを見ないとって勝手に思っていました。(本当に個人的なこだわり…笑)

サクラコシオリエビ

このカニ、日本で見たことある人いますか?

ピンクスクワッドロブスター、日本名をサクラコシオリエビといって、東南アジアでは割とよくいる種で、ふさふさした感じとかわいい色合いから人気のエビです。

僕はてっきり日本には、ほとんどいないと思っていたのですが、ここでは越冬して通年見れているそうです!

なんて贅沢な!
サクラコシオリエビに会うために1ダイブ使ってもいいと思えるくらい個人的には好きな生物です。

ウミウシカクレエビ

ウミウシカクレエビは大体ナマコを見れば付いてるし、

フリソデエビ

フリソデエビは情報なしで4個体以上見つかることもあるし、

オラウータンクラブ

オラウータンクラブは抱卵個体を紹介される。

とにかく感覚がおかしくなってくるくらい、撮りたいと思える被写体が多く、どんどん贅沢になってくるんです。

本当に撮っても撮っても、次の被写体が出てくる。

バサラカクレエビ

もちろんウミシダを探せば、バサラカクレエビとかもいるんですが……

もう珍しい色合いのものしか撮らなくなっちゃうんですよね。

黄色のウミシダに着く個体も好きですが、白黒のウミシダに着くバサラカクレエビは忍者みたいでカッコいい!

ヒメキンチャクガニ

キンチャクガニもあえて地味なヒメキンチャクガニを! 

普通にキンチャクがにもいるんですが、あえて少しマニアックな方を撮りたくなるのが、鵜来島なんですよね!

みなさんキンチャクガニに種類があるなんて知っていましたか?

たぶん鵜来島でダイビングをしたら、まだまだ知らない生き物に出会えるんだろうなと感じるくらい豊かで未知な海でした。

「親指」というポイントのハゼも面白い!

モリシタダテハゼ

鵜来島のメインのダイビングポイント、「親指」の共生ハゼもめちゃくちゃ面白い。

さきほど紹介したモリシタダテハゼはもちろん、他にもいろんな種類のハゼにこのポイントで出会うことができます。

しかも特に情報があるわけでなく、毎回探して出てくるんだから本当にすごい!

ホタテツノハゼ

ダイバーには人気のホタテツノハゼがいたり、

ヤノダテハゼ

ちょっとマニアックだけど、珍しいヤノダテハゼがいたり、

ナノハナフブキハゼ

またまたマニアックなキザクラハゼがいたりします。

実はこのキザクラハゼは、モリシタダテハゼと間違えて撮っていました。

モニターを確認して、モリシタだと思ったらキザクラだった時は笑っちゃいましたが、逆にキザクラハゼもあまり撮るチャンスがないのでラッキーでした!

ネジリンボウ

他にもネジリンボウやホタテツノハゼSPなど、いろいろいたのですが……
撮影に行った6月が水温が上がりきっていなく、ハゼの出がまだまだ悪く撮り切れませんでした。

過去にはガルゴビーというホタテツノハゼのよりヒレを長くスマートにしたような種が出たり、まだまだ何が出るかわからない面白がここにもありますね!

「親指」はエントリーしたブイ下からこんな景色が広がっているのでハゼ好きにはたまらないですね。

ちなみにアカグツやボロカサゴが出るのもこのポイントです。

アケボノハゼ

あとは共生ハゼではないですが、他のポイントではアケボノハゼもいました。

ハゼだけ狙いに来る価値がある。

いや、モリシタダテハゼだけでもこの海に潜る価値があるのに、こんなに珍しいハゼばかりいていいのでしょうか。

ちょっとズルい海ですよね。

まだまだ溢れ出るマクロ生物たち

ハチジョウタツ

もちろん、甲殻類やハゼ以外にも面白い生き物やカワイイ生き物たくさんいるのですが……

正直、全部紹介してたらキリがないのでピックアップしながら紹介していきます。

安全停止近い水深で見られたハチジョウタツは、毎回安全停止のお供としてたくさん撮らせてもらいました。

深海の生物が多いからからか鵜来島のダイビングは深いイメージがありますが、普通に浅いところも面白いので安心して下さい。

深度も30mくらいまで行くこともあるのでアドバンスは必須ですが特別難しい海ではないですよ。

ピグミーシーホース

まさかの20mを切る深度にピグミーシーホースがいました。

この深度ならナイトロックスを使ってじっくり撮ることができますね。

事前にお願いしておけば、ナイトロックスを利用することもできるので、ガッツリマクロを見たい人、撮影をした人にはナイトロックスがおすすめです。

スミレナガハナダイ

少し潮通しの良いポイントに行けばスミレナガハナダイのコロニーがあって、オスが必死に求愛している姿がめちゃくちゃ勇ましい。

個人的にすごく好きな魚でいると、ついつい撮ってしまいますね。

本当にこの海はいろんな生き物好きのダイバーが楽しめる海だと思います。

カミソリウオ

あとはちょっと可愛らしい緑をしたカミソリウオもいました。

お菓子みたいな色合いでいつも見るカミソリウオとは違い、なんだか変な感じ。

ハナダイと魚

他にも普通種のようなススメダイやギンポの仲間、ベニハゼの仲間もたくさんいます。

タテジマヘビギンポ

自分好みのシチュエーションを探して、いろんな写真を撮るのも楽しいと思います。

伊豆や沖縄とも違うシチュエーションを探して写真を撮るのがオススメですよ!

鵜来島のダイビングスタイル

鵜来島のダイビング風景

鵜来島でダイビングをする場合は島に滞在するわけではなく、1番近い高知県の宿毛という町にある港からボートで1時間ほどかけて島周りに来て潜ります。

船に乗って移動はあるのですが、ダイビングの休憩時間は人口20名の小さな鵜来島に上陸するので、ちょっと海が荒れた日なんかも港で休憩できるので安心です。

また宿毛の町には安いビジネスホテルもあるし、コンビニなんかもあるので、
快適に過ごすことができます。

島にも宿はあるのですが、基本的にはほとんどが釣り客で埋まっていて、なかなか予約が取れないそうです。

ちなみにダイビング用の船はかなり大きく、後部がちゃんとダイビング仕様になっているので秘境のダイビングポイントながら、快適なダイビングを送ることができます。

広いドライスペースもあるので、替えのレンズやドローンなど濡らしたくないものも安心して持ち込めます。

おわりに

うぐる島空撮

高知県の秘境・鵜来島。

まだまだこの海には見つかっていない魅力がたくさんあるのかもしれない。

僕もまだアカグツもボロカサゴも見れていないし、全然撮りきれていない。
また1つ通わないといけない海が増えました。

今回お世話になったダイビングショップ

シーランドうぐる

宿毛町にあるダイビングショップでダイビングだけでなく鵜来島への渡船や、島内で民宿もやっているこの島のプロフェッショナル!気さくな船長がダイビングの面倒を見てくれるので安心です。
ただ2021年現在、現地のガイドがいないので基本的にはショップツアーに申し込むのがオススメです。

ダイビングスクールKANAU

兵庫県、加古川にあるダイビングスクール!シーズンは毎月、ほぼ隔週ペースでうぐる島のツアーを行っていて、オーナーの河口さんは今1番うぐる島を潜っているガイドでしょう。
今回の撮影は僕も兵庫まで行き河口さんのツアーに同行させてもらいましたが、河口さんのホスピタリティの影響もあって、よりこの海が好きになりました。おすすめです!

鵜来島のダイビングをもっと知りたい方

今回のダイビング風景をYouTubeにVlogにてまとめています。
良かったら合わせて見てみて下さい!
気に入ってくれたらチャンネル登録も忘れずに!

 

 

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