正直に言います。
僕は大瀬崎のダイビングシーズンの中で春が1番好きではありません。
春は”春濁り”という言葉があるように透明度が悪いことが多く、さらに水温がまだ低いので魚影も少ないんです。
みなさんも春のダイビングって、きっと良いイメージは持っていないですよね…..?
もし1年に1回しか大瀬でダイビングしちゃいけませんと言われたら、あえて春にはいかないでしょう。
僕は迷わず秋に行きます!
あ、でも、
ここで誤解しないでほしいことがあります。
決して”春の大瀬でダイビングがつまらない”と言ってるわけではないんです。
大瀬崎のダイビングは四季折々様々な魅力があります。
夏になると圧倒的に魚影が増えるし、秋は季節来遊魚などの珍しい生き物の宝庫だし、冬はまるで沖縄かと思うほどの抜群の透明度になります。
他のシーズンには、おお〜〜っと一言で表せるようなわかりやすい魅力があるんです。
大瀬のシーズンごとの魅力は以前まとめていますので、是非参考にしてみて下さい!
そう!
他のシーズンが魅力的すぎて、春がかすんでしまっているだけなんです!
別に春の大瀬崎に魅力がないわけじゃないんです。
今回は決してベストシーズンではないけれど楽しめる春の大瀬ダイビングの魅力!
そして春にしか見れない光景や春だから見れる生物をご紹介していきます。
- やっぱり日本に住んでるんだから四季の海潜りたいよね!
- 毎月潜りたい!
- マクロをカメラで撮るのが好き!
そんな人にオススメの内容になっています!
春の大瀬崎は海藻生い茂るジャングルのように!
春といえば海藻シーズンです!
まるで森のように高くそびえ立つホンダワラ(海藻の種類)が湾内ではスクスク育ちます!
もちろん湾内だけではなく先端や外海にもフクロノリやカジメ類など様々な種類の海藻が生い茂ります。
この海藻が生い茂る景色は大瀬崎では春にしか見れない貴重な光景です。
このまるでジャングルのような海藻広がる海、自体を楽しんじゃおう!
という話です。
確かに春濁りはあるのですが、太陽光の届く浅場なら濁っていても、うねりさえなければ意外とキレイな景色が見れるんですよ!
こんな感じの海藻のトンネルをくぐることも出来ますね。
海藻の中でも大きく成長してまるでジャングルのような景色を作ってくれるホンダワラ!
例年2〜3月頃から生え始め5〜6月に最も大きく成長します!
そして夏になるといつの間にか姿を消しているんです。
ちなみに、このホンダワラをよーく覗いてみると様々な生物の幼魚の隠れ家になっています。
1番よく見れるのは、この小さいなメバルの幼魚です。
海藻に隠れることで捕食者たちから身を守っています。
このメバル大人たちの求愛はえげつなく面白いので良かったら、
僕が以前ダイバーズ学園で書いた記事も興味ある人は読んでみて下さい。
この春に生い茂る海藻は様々な生き物の幼魚の隠れ家になっていて、大瀬崎の豊かな生態系を育んでいます。
メバルの幼魚以外にも春は海藻周りにヒメイカといった小さなイカが隠れていたり、ミルにはテントウウミウシが付いていたりします!
もちろん甲殻類もたくさん隠れています!
ナガレモエビや、ミズヒキガニなど様々な甲殻類がいます!
春は海藻のシーズン→隠れる場所がたくさんある→
つまり”甲殻類のシーズン”と言っても過言ではないでしょう!!
春はカワイイ幼魚が多い!
春は幼魚のシーズンでもあるんです!
海藻が生い茂る春は生態系の弱者になる幼魚が身を隠すにはベストなシーズンなんです。
例えば、大瀬崎の湾内にカエルアンコウのチビが出始めるのも春先ですね。
フクロノリといった海藻の裏に隠れたり、ロープに付いた海藻の影に隠れたりします。
色は黄色が1番多いですが、オレンジや白や黒など様々な色がいます。
大きくなるとブサイクなカエルアンコウですが、小さいうちはホントに可愛いんですよ!
ほら、こんな感じで地面に踏ん張っていたり。
海藻をどかしちゃってごめんね!笑
他にも大瀬崎では春にしか見れないヒレナガカサゴの幼魚も!
ヒレナガカサゴは深海性のカサゴで大人はダイビングでは見れない深度に生息していますが、幼魚だけは春のシーズンに湾内で見ることができます。
大きさは1センチ弱と非常に小さいのですが、目が大きくクリクリしていて、めちゃくちゃ可愛いです!
他にもホウボウの幼魚が見れるのも大瀬崎では春のシーズンだけです!
どちらも砂地の石ころに混じって隠れているので見つけるのが難しい。
宝探しをする感覚で探すと面白いですよ!
たまーに、こんな石ころみたいなやつも見つかるかも!?
ダルマオコゼの幼魚です。
まだまだ春は様々な幼魚がたくさん!
夏に向けてスクスク育っていくシーズンなんですね!
アオリイカの産卵シーズン!!
春に見れる生態系といえば、やっぱりアオリイカの産卵でしょう!!
50センチを優に超える大型のアオリイカも産卵に来るため大迫力の産卵ショーを見ることができます!
以前は初夏〜夏にかけてが産卵のピークですが、年々早くなっているように感じます。
2019年は4月下旬からバンバン産卵し始めました。
大瀬崎では湾内の水深10m前後に産卵床といってアオリイカが産卵しやすいように木を水中に沈めます。
多くのアオリイカは産卵床に産卵するため、じっくり観察することができます。
もちろん産卵床以外の場所、ホンダワラなどの海藻や時にはヤギなどのソフトコーラルにも産卵することもあります。
アオリイカの産卵を観察するコツは必ず着底してみましょう!
中層にダイバーがいるとアオリイカも警戒して産卵してくれません。しっかり着底をして、できるだけ泡を吐かないようにします。
アオリイカは産卵を始めると警戒心が少し落ちるので、生み始めたタイミングで近寄ると簡単に寄ることができます!
アオリイカの産卵のベストな時期は5〜6月ごろ!
4月〜8月までは定期的に行われています。ぜひ皆さんも生命の神秘を感じる大迫力の産卵ショー感じてみて下さい!
ゴールデンウィークといえば外海にマンボウが出る!?
春の大瀬崎は日本で唯一、狙ってマンボウが見れる場所と言っても過言ではないでしょう!
マンボウってあのマンボウです!
すごくないですか!?
こんな身近な海でマンボウが見れる可能性があるんですよ!
毎年ゴールデンウィーク頃の水温が15〜8℃前後になってくると沖からマンボウがクリーニングのために大瀬崎の外海に訪れます。
外海のポイントの門下から大川下の水深20〜30mのゴロタのゾーンがクリーニングステーションになっているんです!
少し深いですが、柵下の35mくらいにもマンボウが出やすいエリアがありますね。
チャンスは早朝と夕方が1番可能性が高いです。
マンボウは臆病な性格をしているので人が多く潜る昼間はあまり浅場には近寄ってきません。
マンボウがいるかいないかは運次第。
ゴールデンウィーク1週間滞在してマンボウチャレンジなるものをしている猛者たちもたまにいますね!
僕もカメラを持って潜って出会ったことはありませんが、
3度ほど水中で遭遇しています!
もちろん、マンボウに会えなくても・・・
外海の深場には日本にしかいない固有種のサクラダイがいたり、大きなホウキハタがいたりと楽しむことも出来ます!
マンボウの出が悪い時は諦めてマクロに切り替えちゃうのもありだと思います。
今年こそは1眼レフを持ってマンボウに出会いたい。
※2019年は5月14日に第一号マンボウが発見されたそうです!
今年はマンボウ当たり年になってほしいですね!
まとめ
何度も言います。
春の大瀬崎はベストシーズンではありません。
しかしベストシーズンでなくても大瀬崎の海は十分面白いんです!
春にしかないマニアックな楽しみ方もあるんです。
大瀬のシーズンごとの楽しみ方を知りたい方はコチラの記事を参考にして下さい!
YouTubeで大瀬崎のVlog公開中!!!
写真だけじゃ伝わらない、文章だけでは物足りない。
そんな海のリズム感やダイナミズムを伝えてくてYouTube始めました!!
絶対後悔させないので見てください!
水中写真家しげです。