逗子には湘南の海とは思えないほど、豊かな海が広がっています。
海底にはソフトコーラルという柔らかいサンゴが生い茂り、様々な生物の住処として華やかな景色を演出します。
多種多様な環境があり、そこには季節来遊魚などの魚やエビカニ、ウミウシなど多くの種類の生き物が生息します。
逗子でダイビングをしてみると湘南のイメージが変わる。
こんな近くに美しい海があったんだ。
新たな発見が出来るでしょう。
逗子はアクセス抜群!都心から約1時間
神奈川県逗子市は湘南でも1番三浦半島よりのポイントでとにかく都心から近い!
都内から約1時間で逗子葉山ダイビングリゾートに着くことができます。
逗子葉山ダイビングリゾートは逗子のポイントへボートを出している唯一のショップで小坪マリーナの中にお店があります。
今回僕は横浜にショップがあり逗子でよく潜るBLUE STYLE横浜の粟生さんと潜りました!
ちなみに僕の実家は横浜で家から車で30分で逗子に到着!
今回の取材は7時半に家を出て、9時半1ダイブ目、11時半2ダイブ目で13時半に逗子を出発して14時には帰宅。
横浜市民からすると本当にちょろっと半日で遊ぶ感じで行けますね!
逗子のダイビングポイント
逗子のダイビングはボートダイブが主流で小坪マリーナから船が出て沖合4.5キロのところにある大きな根がポイントになっています。
根はいくつかありますがメインのダイビングポイントとなるのは「オオタカ根」と「ツブ根」という2つのポイントです。
どちらも魚影が濃くマクロからワイドまで楽しめるポイントです。
透明度は春から夏にかけては緑っぽいことも多く伊豆に比べると悪いことも多いです。
しかし秋から春にかけては透明度が良くなることも多く上の写真のように青い景色を見ることができます。
オオタカ根
「オオタカ根」は逗子のメインのポイントで水深30mに大きな根が広がっています。
根は非常に大きく1ダイブでは全部回りきれない上にで見所も多く、こここしか潜らない日もあります。
カラフルなソフトコーラルが非常に多い。
根にはネンブツダイなどの群れが、中層にはイサキやアジなどの群れと華やかなポイントです。
ツブ根
「ツブ根」も最大水深が約30mくらいの根でトップにはタカベなどの群れがいて賑やかなポイントです。
写真は飛び根というメインの根の横にある根です。
砂地にはナシジイソギンチャクやコエダモドキといったソフトコーラルなどが多いです。
ゴルゴニアンシュリンプなどの超レア種が見つかるのも「ツブ根」です。
色彩鮮やかなソフトコーラルと魚影のワイド
逗子でダイビングをして1番感動したのがソフトコーラルの多さ!
しかも種類が豊富で、多様な水中環境があるんです。
神奈川の海は地味なイメージがありました。
しかし、それを覆す南国っぽい華やかな景色で初めて逗子でダイビングをした時は感動しっぱなしでした。
ソフトコーラルはネンブツダイなどの小魚の拠り所になっていて魚がぐっちゃり群れています。
この魚の群れとソフトコーラルが”逗子のダイビングらしい光景”だと思います。
今回は2021年1月に撮影したものです。
これでも魚の数は減ってきているというから本当にすごい!
地形は複雑でなだらかに落ちているところもあれば写真のようにドロップオフになっているところもあります!
こういうドロップオフのところには魚がめちゃくちゃたまっている。
「すごいな〜」なんて見ているとハナミノカサゴが入ってきました!
ウミシダもいい味を出してくれています!
逗子のメインのダイビングポイントの「オオタカ根」はソフトコーラルだけじゃなく、ウミシダやイイジマフクロウニなども多いです。
そんな生物たちがさらに水中をさらに華やかにしてくれます。
被写体が豊富なので本当に、いろんな写真の撮り方のできる海ですね!
イボヤギの群生があったり、
美しいピンクのソフトコーラルゾーンがあったり
とにかく環境が豊富!
ソフトコーラルは時間や潮によっては咲いていないこともありますが、咲いてた時の美しさはこんな感じで本当に最高です!
もちろん根周りだけじゃなく中層を見るとこんな感じでイサキのこどもの群れが!
写真では撮り切れませんでしたがマダイの小さな子の群れがいたり、アジの群れがいたり、中層も目が離せません。
時折イナダ(ブリの子供)なんかも群れに突っ込んでいて本当に魚影の濃い場所でした!
逗子のダイビングでワイドを撮るなら11月後半から1月前半くらいが良いでしょう。
冬の透明度が良い時期だけど水温が下がり切らず魚が元気で1番いい時期です。
激レア!ゴルゴニアンシュリンプ登場
逗子といえばあの激レアなゴルゴニアンシュリンプが見れる場所としても有名です。
通年見れるわけではないですが秋の時期になると季節来遊魚として登場しています。
最近では大瀬崎や静浦などでも発見され話題になりましたが昔は柏島くらいでしか見れず、まだ和名が付いていないエビです。
個人的にはどうしてもゴルゴニアンシュリンプが見たくて柏島まで行ったりしたのに見ることの出来なかった憧れの種です。
ツブ根の海底には少し泥っぽいエリアがあり、そこにはコエダモドキやサビカラマツ、ムチカラマツといったゴルゴニアンシュリンプが付きそうなソフトコーラルがたくさん!
その中から探していきます!
今回は小さい個体が2個体いるという情報を聞き潜りました。
その場所以外でも新たに発見されたりと、
もしかしたら、いっぱいいるのかも…!
今回見つけた子は体が透き通っていて、色が付く前の個体!まだ子ども。
本当はもっと黄色と青のギラギラした色がカッコよくていいんですが、十分素敵でした。
ソフトコーラルが豊富で甲殻類(エビカニ)が多い
逗子のダイビングではいろんな種類の甲殻類(エビカニ)を見ることができます。
ソフトコーラルやウニの仲間、イソギンチャクなど隠れるところが多種多様で、その環境にたくさんの甲殻類がいついています。
今までワイドで見てきた景色をぎゅっとマクロで寄ってみると本当に面白い!
こんな感じの光景のナシジイソギンチャク(写真でいう白い花のようなの)をピックアップしてみてみると……
アヤトリカクレエビが付いていました!
このエビもどこにでもいるわけではなく、見れると結構嬉しい!
あとは逗子のナシジイソギンチャクは、僕の感覚的に咲いてることが多く写真を撮るときにアヤトリカクレエビが映えるのもいい。
他にもイイジマフクロウも多く、ゼブラガニなんかもコンスタントに見れます。
この左下に写っているのがイイジマフクロウニです。
普通にあちらこちらの岩肌に付いています。
ただ刺胞には毒を持っていて刺されるとめちゃくちゃ痛いし腫れるので気を付けて下さい。
紹介した生き物以外にもアカシマシラヒゲエビやアカホシカクレエビ、イソギンチャクモエビとか定番に人気のエビカニもいます。
エビカニ好きな人は逗子でダイビングする価値ありです。
もちろん季節来遊魚などマクロも楽しい
逗子は相模湾の奥に位置していますが、沖合まで出ると黒潮が入ってくることもあり、夏から秋にかけては季節来遊魚もやってきます!
伊豆でもレアな種などが普通にいたりするから驚きです。
クダゴンベやフリソデエビ、ニシキフウライウオなどもコンスタントに出ていて、秋のマクロは本当に面白いですね!
今回はクダゴンベが確認できましたがソフトコーラルが多いので探すのが大変でした。
その分、写真は映えるでめちゃくちゃ良いですが…!
ハナタツも多く、ヤギなどの根元に付いていることがあります。
僕が行った時はオレンジのハナタツでした。
このあと白色のハナタツも発見されたらしく、環境が様々なのでハナタツの色合いも様々なものが出るようです。
もちろん、普通のマクロもソフトコーラルを絡めたりして楽しめる。
冬にはウミウシなども増えてくるので次から次へと被写体が出て来て面白いですよ!
さらにマクロは透明度に関わらず楽しめるので、逗子のメインの楽しみ方はマクロを期待して行って、運が良ければワイドもって感じが良いかなと思います。
おわりに
都心からたった1時間離れるだけで、こんなに豊かな海が広がっている。
やっぱり日本の海はすごい!
色とりどりのサンゴは美しい水中景観を作るだけではなく、小さな生き物の住処となり、生態系を作っている。
湘南の海もこんな偉大な自然の一部なんですね。
ぜひみなさんも1度、逗子の海でダイビングして見てください!
逗子の映像をまとめたYouTubeも更新中!
同じ神奈川県では烏帽子岩のダイビングもオススメ!