北海道の支笏湖(しこつこ)のダイビングは”水中にいるだけでいい”そんな気分にさせてくれる。
環境省の調査で何度も日本一の水質に選ばれるほど美しい海の色や、水面まで伸びる水草、そして降り注ぐ太陽の光。
すべてが僕らを癒してくれる。
まるで緑の草原を泳いでいるような気分にさせてくれます。
しかし、支笏湖のダイビングは”ただただ美しい”、その景色だけではないんです!
7〜9月限定で水中に咲く花チトセバイカモを見ることが出来たり、ヒメマスやエゾウグイといった北の淡水魚などここでしか見れない生き物たちがいます。
更には生物の生態に詳しいガイドの方と潜ればヌマチチブというハゼのような魚の卵を守っている様子など、ちょっとマニアックな楽しみ方ができます。
今回はそんな支笏湖のダイビングの魅力を紹介していきいと思います。
支笏湖は到着日のダイビングに最適!
支笏湖は新千歳空港から車で約40分、札幌までも約1時間とアクセス抜群。
僕も今回は羽田発、新千歳空港行きのANAの4732便に乗って到着日にダイビングをしてきました!
羽田空港を朝7時に出発し8時半に着く便です。
羽田からだとJALもANAもスカイマークも朝早く着く便があるので選択肢が多くて良いですね。
そして新千歳空港に着くとお世話になったロビンソンダイビングサービスの西村さんが迎えに来てくれて、そのまま車に乗り込んで支笏湖へダイビングという流れです。
10時前には支笏湖に着いて2ダイブしてご飯食べて、17時くらいには札幌に着くので夜は札幌のホテルでゆっくり、もしくは北海道の食を楽しむことが出来ます。
本当に最高ですね!
ただし、予約の状況や飛行機の到着時間など必ず空港に迎えに来てもらえるわけではないので、ぜひショップの方にお問い合わせしてみてください。
水草広がる美しい光景
支笏湖でダイビングをしてやっぱり1番最初に感動したのはこの水草広がる光景です。
エントリーした瞬間に爽やかな支笏湖の水色のクリアな水に、優しい色をした水草がなびいています。
淡水でのダイビングは山梨県の本栖湖も有名ですが、こんなに長く水面まで伸びる水草は見たことありません。
まるでジブリ映画のナウシカにでも出てきそうな草原のような景色。
美しすぎる!
ただただ美しい。
その一言に尽きます。
もちろん支笏湖は湖なので海と違って大きな波もなければ、流れも非常に少ない。
静かで穏やかな場所でこの景色を眺める。
想像するだけで癒やされませんか?
聞こえてくるのは自分呼吸の音だけなんです。
なんだか支笏湖には日本らしい奥ゆかしい美しさを感じました。
支笏湖は 2007(平成19)年から10回以上も環境省の調査する全国の湖沼の水質調査で1位を取っているんです。その透明度の高さは摩周湖などと並んで日本でもトップレベル!
とにかくそのクリアな水は自分が水中にいるのを忘れてしまうくらいです。
この写真とか何気ない水中風景をマクロで撮ってみたんですが水中とは思えないですよね。
ここにエビとか魚が入っていれば最高だったんですが……!
これは、ただそこにある岩を撮ってみました。
それでも絵になる。
とにかく何気ない景観が美しくてシャッターを切りたくなる、そして感じたくなるのが、支笏湖のダイビングの1番の魅力でした。
この水草が広がるのは初夏から秋にかけて期間だけぜひこの時期の支笏湖オススメなので来てみて欲しい。
ちょっと深い方までいくと、こんな沈んだ木があるエリアも!
海と違って潮や波による風化や運ばれるといったことが少なく、こうやって森から入ってきたものが堆積していくのも湖の美しさの1つですね。
さて気になる水温ですが……
この木が沈んでいるところは水深13m前後で水温は15度くらいでした。
でも水草が生い茂る美しいエリアは23度と全然暖かい。
ウエットスーツでも余裕だし、周りには水着で遊んでいる人もいるくらいなので
夏の時期の支笏湖は冬装備なしで楽しめると思います!
また夏の積丹も同じく水温は20度を越えるので積丹と同じ装備、ドライスーツの方は両方ドライスーツ、ウエットスーツの方は海も湖もウエットスーツでいけるので安心です。
時期によっては水温が変わり始めたり等もあるのでスーツや海の状況はもちろんショップの方に聞いてみてもらえると1番いいかなと思います。
ちなみに僕は長時間撮影で潜るのでドライスーツでいきましたが、正直今年は支笏湖も積丹の海も水温高すぎてウエットで行けば良かったと後悔しました。
水中に咲く花、チトセバイカモを見る
この凛とした姿をした花が、夏の支笏湖の代名詞チトセバイカモの花です。
チトセバイカモとは7月〜8月の夏の時期、水中で小さな美しい花を咲かせる水草の1種です。
名前の通り千歳川で発見され、恵庭市や千歳市、支笏湖に多い北海道の特有の種です(東北で発見された例もあり)。
花が咲いているのは1週間程度で順番に咲いては閉じを繰り返しているようです。
チトセバイカモはこんな感じで小さな株のような形で群生していたり、にょろっと高く伸びているものあったり、それぞれ!
葉っぱの形も特徴的で美しいので、ぜひ自分の目でみてみてください。
見ているだけで癒やされるチトセバイカモの花。
可憐な白い花びらを懸命に咲かせている姿を見ているとこっちも頑張ろうという気になっていきますね。
バイカモの仲間は全国的に見られます(例えば静岡県のミシマバイカモも有名)が、水質の汚染などにより生息域が減ってきているようです。
どこか日本らしい奥ゆかしい美しさのあるバイカモをいつまでも守っていきたいですね。
支笏湖で見れた生き物たち
支笏湖では風景だけじゃなく、さまざまな生き物を観察することできます。
今回は短い期間での滞在だったため生物はあまり撮影できていませんでしたが、エゾウグイやヒメマスといった生物から、上のようなヨシノボリなど見れます。
個人的に好きなのがこのスジエビ。
水草の周辺を探すとどこにでもいるのですが、カメラを向けると隠れ家と勘違いしたのか近寄ってくることも多い。
写真も近寄ってきた瞬間を撮ってみました。
次来た時はスジエビを絡めていろんなシチュエーションを撮りたいなと思います。
他にもこんなヌマチチブという魚が卵を守っている光景を見ることができました!!
こんなに顔を真っ黒にギラギラさせているヌマチチブは初めてみました。
カッコいい!!
この魚は北海道特有ではなく、全国的に分布しており山梨県の本栖湖のダイビングでも見たことはありましたが、こういう生態シーンは初めて!
これも北海道の生態に強いロビンソンダイビングサービスの西村さんの力ですね。
少しだけですがハッチも狙ってみました。
ハッチはうまく撮影まで持って行けませんでしが、
目がギラギラする卵は今にも生まれてきそう。
またリベンジですね!
また支笏湖にはマクロ生物を撮りにも訪れたい。
秋のエゾウグイやヒメマスの婚姻色も狙いに来たいですね!
北のグルメ!チップ(ヒメマス)料理に舌鼓
北海道でのダイビングは美しい、楽しいだけじゃ終わりません!
北海道の豊かな食材を楽しまないわけがない。
支笏湖に来たら支笏湖名物チップ料理を堪能しましょう。
チップとはヒメマスのことで、海に降らずに一生をこの湖で生活するタイプの北海道での総称です。ちなみに海に降るのは有名なベニシャケですね。
このヒメマス、とにかく臭みがなく、お刺身で食べてもいいですし、塩焼きもフライも淡白で最高に美味しかったです。
ダイビング中はあまり食事にこだわらない僕もこれだけは食べた方がいいと太鼓判です!
しかも目の前で獲れたものってのがすごくいいですね!
ちなみにダイビング後にそのまま食事に行くのに最適なのはポロピナイ食堂さん。
先程の写真のチップ料理の全部のせみたいな豪華なセットが1800円で食べれちゃいます。
支笏湖を眺めながら、ヒメマス漁に行く漁師さんの船を目の前に食べるシチュエーションも最高でした!
おわりに
支笏湖のダイビングは癒しから生物、そして食事まで。
本当に1日を通して満足の行く体験ができます。
もちろん周りの自然も豊かなので陸もいるだけで気持ちい。
ぜひ北海道でダイビングをする行程の1日入れてみたり、到着日のダイビングにもオススメです!
みなさんも1度この美しさ味わってみてください。
今回お世話になったダイビングショップ
北海道のプロフェッショナルなダイビングショップ!札幌にお店を構え、夏だけではなく冬の積丹の生態系が面白いシーズンまで1年中北海道の海や川、湖の時々の最高の景色を案内してくれる。知床ウトロで流氷ダイビングを開催している唯一のショップです。
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ちなみに夏の北海道のダイビングを代表する2大ポイント、支笏湖で潜ったなら積丹も絶対セットで潜ってください!
圧巻の柱状節理や北の海ならではの光景や生物が非常に面白いです!
夏は支笏湖、積丹がオススメですが……
冬の時期は知床ウトロの流氷が最高です。
夏とは真逆の静寂で色の少ない北海道の魅力もこの記事にまとまっていますので読んでみて下さい。
湖で潜ってみたい!そんな方にはこちらの記事もオススメ!
とにかく水中にいるだけで幸せ。そんな気分にさせてくれるほど穏やかで美しい光景でした!