奄美大島の海でダイビングをしていると、本当に心が落ち着く。
創作欲が湧いてくるし、あれも撮ってみよう、こんな風に撮ったらどうだろうと……心が躍るんです。
こんな気持ちになるのは、最大水深が浅く、流れも少なく穏やかな奄美の海だから。
だけど、きっと、それだけじゃない。
心ゆくまでのんびりと案内してくれるネバーランドの雰囲気からもくるんだろうと思う。
※ちなみに、11月に限らず奄美大島のダイビングの真髄を知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
さて、奄美大島の11月。
穏やかな気候の中、薄めの長袖で過ごせる気持ちの良い季節。
そんな11月の奄美大島の水中の面白さは、とにかくマクロ、マクロ、マクロ!
生物もそうですし、その環境がとにかくいいシーンが多く1ダイブ1時間を超えてしまうこともザラでした。
めちゃくちゃ面白かった!
まずは、今回とにかく1番潜った奄美の須江というダイビングポイントのご紹介からいきましょう。
ここはネバーランドのオリジナルポイントで、ネバーランドのオーナーのちょっくんが須江を潜った際にこんな面白い海、奄美にも見つけたいと言って探して見つかったダイビングポイントだからだそうです。
独特の雰囲気を醸し出す「奄美の須江」
奄美の須江は深場はかなり泥質の砂をしていて、浅瀬は白砂の美しい砂質のポイントです。
水深3m前後の美しい砂のエリアに船を止めて、そこから潜っていきます。
砂地に光が反射した水中は、エントリーした瞬間に明るく心がワクワクするような気持ちになります。
この透明感と白砂は慶良間の内海を思わせます。
本当に癒しの光景。
そして、ボートの下にはさっそく様々な生き物が生息しています。
ポツンとある根とも言えないような小さなサンゴを見ると、クマノミ、ミツボシクロスズメダイ、ハタタテダイ、ハナミノカサゴとたくさんの魚が集まっていて、魚種が多いのが分かります。
そして今回、驚いたのが水深5mに黒いニシキフウライウオがいたこと。
とにかく奄美の海は面白い生物が浅いところにいるんです。
これがのんびりじっくり撮影できる要因でもありますが、まさか安全停止ラインでニシキフウライウオが見られるなんて。
でも、それだけじゃなかったんです。
エキジットする時にラダーに足をかけている状態でニシキフウライウオを観察することができました!
なんだそれという気分……笑。
そして、水深が浅い上に後ろには綺麗な砂地がある。
見てる分にも美しいですが、撮影すると更にその良さが!
背景がめちゃくちゃ明るいので爽やかなブルーで抜くことができる。
伊豆半島にも近年はニシキフウライウオはたくさん出現するので、見たことがある人は多いと思いますが、奄美大島で見るのはまた一足違った透明感があって美しいです。
奄美の須江の1ダイブで4個体ものニシキフウライウオに会えました。
時にはあまりいい背景じゃないところに、いる個体もいるのですが……
ネバーランドではあえて、そのまま紹介してくれる。
ネバーランドのオーナーのちょっくんは海に対して「お邪魔しますの精神」を大切にしていて、生き物にできるだけプレッシャーのかからない潜り方、優しい海への向き合い方を大切にしています。
だからこそ、このすぐ横には海藻やウミサボテンがあったりと、いい背景もあるのですが、そのまま観察します。
当たり前ことを当たり前に、丁寧にやる、
このネバーランドのダイビングスタイルが本当に好きです。
ちなみにウミサボテンとは砂地から生えている30センチくらいのソフトコーラルの仲間。
僕じゃなくて他のゲストが撮影しているタイミングでは、ここにニシキフウライウオが付いてる時もあってすごい羨ましかった!
よく見ると、ウミサボテンの周りにオドリカクレエビがいることも。
ウミサボテンは日本各地にありますが、僕自身は15センチくらいの小さなウミサボテンは見たことあるのですが、こんなに大きなウミサボテンのを見るのは初めてで、さらにエビがついてるのを見つけた時はすっごい嬉しくなりました!
ウミサボテンは全体を写してもいいし、ポリプだけ見ても、すごく綺麗なので撮影してて面白い被写体でした!
ポリプを良く見てみると、うねうね動いてエサを探している様子。
そして、ちょっくん流石だな〜と思ったのがこのシーン!
僕は離れたところにいたのですが、すごく遠くから呼ばれて、なんだろうと思ったら……
ウミサボテンとクサハゼが一緒に撮れるよと!
確かに良い画角!!!!
これは普段から写真を撮る目線で海を見てないと、見つけられないし、僕には見つけられなかった目線。
こうやって新しい目線を教えてもらっとき、
その人ならではの視点を教えてもらったときは、
水中でプレゼントをもらった気持ちになります。
本当にありがたい瞬間です。
ちょっくんと潜っていると、そういう気付きが多くあります。
これも、奄美大島に通ってしまう理由の1つなのかもしれません。
他にもコテングノハウチワに隠れるモウミウシの仲間がとにかく多い!
1チーム5人、目の届く範囲で1人に1匹モウミウシくらいいます。
種類も多く上のクサイロモウミウシから、
ウサギモウミウシ、
そして少し珍しいイリオモテモウミウシまで見ることができます。
イリオモテモウミウシは僕もこの日初めて見ました!
それにしてもモウミウシはホストになるコテングノハウチワも美しいし、ウミウシ自体も可愛いし、めちゃくちゃ絵になりますね!
ダイバーの間でも人気が高い種でフォトセミナーの時に来てくれたゲストも皆さん、可愛く撮っていて、いいなぁと感じました。
そして奄美の海では時にはこんなに固まっている時もあるんです!笑
ちょっと数えづらいですが、片面だけでもクサイロモウミウシが8個体います。
ライトを嫌がって裏側に逃げちゃった個体を合わせたら、10個体以上、この1枚のコテングノハウチワについていたと思います。
他にも奄美の須江の独特な環境として、こんなケヤリがたくさん生えている小さな岩に、ミツボシクロスズメダイがいたり、
海藻の上にセボシウミタケハゼが隠れていたりと、面白いシチュエーションがたくさんあります。
今回の奄美大島の滞在のうち、5ダイブ近く奄美の須江に潜りましたが、全然飽きることはありませんでした。
そして今年も奄美の須江ではこの生物の姿も確認できました。
この目のフォルム半端なくないですか!?
メナガガザミというカニですが、2022年に初めてちょっくんと潜った時に見つけて、それ以来、気になっていた生き物です。
当時はすごい珍しいと思っていましたが、実はこのポイントにはたくさんいるんだそうです。
ただし、ダイバーの気配ですぐに穴に引っ込んでしまって目しか出さない。
だから、なかなか見られることはなかったのですが……
なんとか撮影できるように観察の仕方をちょっくんが見つけると言っていたので、今後もっと寄れるようになるのか?
個人的には気になっている種です。
もう1種、今年も見られて嬉しかったのが、センネンダイの成魚です!
名前の通り、千年に一度見れるか見れないかの珍しい魚だからセンネンダイという名前の付いたと言われる種です。
この魚も他エリアではあまり見ることはなく、個人的には好きな魚の1つです。
奄美大島の癒しポイント「リラックスガーデン」
奄美大島を潜ったことある人なら1度は潜ったことあるであろうダイビングポイントがリラックスガーデンです!
ここには水深8m前後のフラットな砂地にポツンと小さな根があり、その周りにたくさんの小魚群れ、岩肌には海面や小さな海藻類が付いています。
さまざまな背景で撮影できるダイビングポイントなのです。
まさに名前の通り、癒されるには最適のポイントだし、フォト派が写真の練習をするのにも最高の場所です!
岩肌を見ると、こうやって海藻が生えていて、その周りにはアオイソハゼが隠れていたりします。
他にも幼魚などの隠れ家になっているため、キンギョハナダイの幼魚や、イシモチ系の幼魚など、普通種も可愛いサイズが揃っています。
こんな貴重なクリーニングシーンも狙えます!
リラックスガーデンにはニセアカホシカクレエビがついているイソギンチャクがあり、その周りにはクリーニングして欲しい魚が寄ってくる。
ここでじっと数分待ち構えていると、こうやって魚の上にニセアカホシカクレエビが乗る瞬間を見ることができます。
気持ち良くないところをやってしまうと、こんな怒られちゃうこともあります……笑。
クリーニングも大変ですね!
奄美大島の海は優しく海に接して観察すると、いろいろな面白い光景に出会えるのも良いところだと思います。
定番のタテジマヘビギンポですが、これも青で抜けるいい背景にいます。
タテジマヘビギンポは奄美大島のポイントでは多く、いろんな背景で撮れる場所にいるので撮影してて楽しい個体です。
お気に入りの場所で見つけたら、じっくり撮影してみましょう。
ネバーランドのガイド陣もいい場所で教えてくれます。
そして砂地を見ると 、こんな感じで海藻が生えていて、そこにタツノイトコやヒラツノモエビが隠れています。
ワイドで見ると、なんともない海藻ですが、マクロで撮影すると草原のようで面白い!
そして擬態上手な生き物見つけられたら、嬉しくなりますね!
奄美大島の鉄板ポイント「山本スペシャル」
ここも奄美大島に来たら、外せないポイントの1つです!
リラックスガーデンのすぐ近くのポイントですが、沖側にあり、水深15m前後です。
そこに小さな根のエリアと砂地にハゼやチンアナゴのいる2つのエリアで楽しめます。
上の写真はチンアナゴがたくさんいるエリアでヒレナガネジリンボウが飛び出してくる珍しいシーン!
奄美大島のチンアナゴやネジリンボウは比較的引っ込みづらく、優しくアプローチすると、結構近くまで寄れると思います。
奄美大島の海とは関係ないですが、「優しいアプローチ」って生き物の本来の行動を観察するには本当に大切なんです!
もう1箇所の根のエリアに行くと、ケラマハナダイがこんなにぐしゃっと群ています!
中層に逃げたり、根に集まったりワイドの撮影をするには、なかなか難しかったですが、根に降りてくると濃い密度でいたり、クリーニングを求めてゆっくり泳いでるシーンなんかも多くみられます。
そういったシーンを狙うと楽しいと思います。
他にも根のちょっと下側を覗くと、こんな可愛いやつが!
ブドウテッポウエビとオドリハゼです!
英名ではダンシングゴビーと呼ばれ、胸ビレを動かし踊っているように見える独特の動きが特徴的です。
このオドリハゼも寄れるのですが、魚がいすぎて、魚が勢いよく泳ぐため引っ込んじゃったり奄美らしい贅沢さを感じる被写体でもありました。
山本スペシャルの根もリラックスガーデン同様に、幼魚や様々な魚が隠れているので、
それを狙って撮影するのも楽しいです。
ここも癒しポイントですね!
奄美大島はビーチポイントもめちゃくちゃ面白い!
これから冬の時期が始まると、北風の強風で船が出ない時にはビーチポイントになることもありますが、このビーチもめちゃくちゃ面白いんです!!
例えば、このきょらサンドというポイントはとにかく砂紋が美しい。
僕はこのエリアに辿り着いた時に、本当に天国に来たような気分になりました。
リーフの隙間をぬって移動し外洋に出た瞬間に広がる景色。
お世辞抜きに今まで見た砂紋で1番美しかったです。
こんな中にダイバーが泳いでいるシーンを撮影したい。
奄美大島に潜るなら絶対に見てもらいたいシーンの1つです。
本当に美しいのでおすすめです!
そしてきょらサンドは浅瀬のマクロも面白く、この日は水面をテーマにみんなで撮影しました。
思い思い水面を入れる工夫をしたり、
ちょっと撮影するには、ハードな環境でしたがモンツキカエルウオもいて、
そのモンツキカエルウオを波のゆらめきと一緒に撮影したり。
ビーチも生物が本当にたくさんいるので十分ビーチだけで良いほど。
他にも手広ビーチではユリタツノコがたくさんいます!
いろんなシーンで隠れていますし、
白い定番の個体から茶色い個体まで!
手広ビーチはウミウシも多く、ここもマクロ好きのダイバーなら何時間でも入っていられるようなポイントだと思います。
ボートがクローズしてもビーチがこれだけ面白い奄美大島の海は本当にずるい!
11月もサンセットでハナゴイの産卵が狙える!
生態行動を狙うというと、やはり初夏のイメージが強いですが、奄美大島のハナゴイは真夏以外は比較的年中狙えるそうです。
そしてダイバー的には11月くらいが日が短いため、サンセットダイブをしても戻ってくる時間が遅くならず、楽ちんなんだとか。
確かにサンセットの後、ご飯屋さん行ったりしていると結構忙しくなっちゃいますもんね。
だから11月ごろにハナダイ狙うのはかなりアリだと思います。
ハナゴイは産卵の瞬間こそは難しいですが、2匹が並んでいるシーンなどは撮りやすい上に、奄美大島は個体数がとにかく多いので、非常に狙いやすいと思います。
観察のコツもネバーランドのスタッフが丁寧に教えてくれるので、コンデジの方でもかなり上手に撮影されていましたよ!
ちょっと難易度が高いところでいうと、ケラマハナダイや
フタイロハナゴイの産卵シーン!
僕もまだ産卵の瞬間は撮影しきれていないのですが、体色が美しい上にフタイロハナゴイは背ビレが2本ピンと張っていて、それが本当に可愛い!
なかなかフタイロハナゴイの産卵を狙える場所は少ないので、ぜひハナダイフリークな人は狙いに行って見てくださいね。
奄美大島フォトイレブン
2023年11月、マクロ三昧で過ごした奄美滞在。
いや〜、面白かった。
穏やかな奄美の海は、いつまでも潜っていたくなるくらい楽しかった。
そして何より、ネバーランドで過ごす時間が心地よかった。
ということで、ちょっとお知らせです。
2024年11月に奄美に滞在してフォトセミナー&サンセットダイブを潜り倒します!
11月2週間、奄美大島に滞在して全力で撮影&フォト講習を楽しんじゃおうという企画!
企画までの期間が長いので、TG限定の日や一眼を限定とした日もあります!
ゲストは最大でも8名様までで全員、同じ日程で動けるのでかなりレベルアップできるんじゃないかと思います。
ちなみにサンセットが⚪︎になっている日は全日程サンセットダイブ予定です!
フタイロハナゴイ、ケラマハナダイ、カシワハナダイ、そして比較的狙いやすいハナゴイまで!
初めて生態シーンを狙う人や
苦手意識を持ってる人にもめちゃくちゃおすすめな機会となってます。
ぜひお気軽にお越しください!
お問い合わせはネバーランドまで!
https://amami-umikaze.net/index.html
まとめ
奄美大島の海は撮影をするにはもってこいの海。
本当に海が穏やかで深度が浅く透明度が良い。
あー撮りたい、こう撮ってみよう。
それがめちゃくちゃ試しやすいんです。
だからこそ新しい表現が見つかりやすいし、楽しめる。
ぜひ皆さんも奄美の海に潜りに行ってみてください!
奄美大島のメインの記事はこちらから!
奄美大島のプロモーションビデオはこちら!
撮影協力:ダイビングショップ ネバーランド
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