北海道・積丹のダイビングでは、自然が創り出した芸術といわんばかりの美しい地形を見ることができます。
溶岩が冷え固まってできた独特の柱状の地形(柱状節理)が、ここまでの規模感で水中で見れるポイントは他に類を見ないでしょう。
夏の積丹はシャコタンブルーと呼ばれるほど透明度が高く、夏の時期は15~20mを越えることも!
ダイビングは南国のイメージが強いですが、夏の北海道も超魅力があるエリアなんです!!
もし、積丹のダイビングの魅力を知らずに南の海でばかり潜っていたとすると、本当にもったいない…!
「ぜひ1人でも多くの人にこの北の海の魅力を知って欲しい。」
そう思い、”夏の積丹ダイビングの決定版”となるような記事にしましたので、ぜひ最後までお付き合い頂けると幸いです。
まだ見たことない世界ここにあり!それくらい初めて見る景色が広がっていて、全ダイビング興奮しっぱなしでした!
※今回の記事は夏の積丹の魅力がほぼです。冬は全く違う白銀の海で北特有の魚たちを狙うダイビングがメインです。野生のトドが水中で見れるのも冬の積丹です。
北海道・積丹のダイビングの魅力
北海道の積丹の魅力といったら、
やはりシャコタンブルーと呼ばれるほど透明度が高く水色に輝く爽やかな海!
まるで南国のような色合い。
沖縄にも負けない美しい海があります。
特に7月8月は透明度、水温ともに高くウエットスーツでもダイビングを楽しむことができ、ダイビングを含めてマリンスポーツを楽しむ人が増えます。
ちなみに僕は7月末にドライスーツでダイビングをしましたが今年は水温が高く24度近くもあったため、暑くて仕方なかったです。
(例年は23度前後だそうです)
水底が白く見えるのは石灰質の白い岩場が続いているため、こんなキラキラした色合いになります。
そしてこのキラキラと輝くシャコタンブルーの海を少し深いところまで降りていくと、出てくるのがこの柱状節理(溶岩が冷え固まってできた独特の地形)です!!
SNSやダイビング誌でも話題になることも多い、美国エリアの「ビヤノ岬沖」というポイントです。
これぞ自然が作り出した造形美!といわんばかりの大迫力の光景です。
夏の積丹でダイビングをするほとんどの方が狙いに来るポイントです。
水深は24mくらいから聳え立つ岩盤で流れがあることもあり、中級者くらいから向けのポイントですね。
夏の時期になると、かなり減ってきてしまっていますが……
それでも北海道らしい美しい昆布が広がる景色も魅力的!!
ちなみに積丹はウニの水揚げ量が日本一で、この昆布が不規則にかけているのも昆布に食べられた後なんです。
積丹ブルーと昆布の森がすごくマッチしていて、夏の北海道らしい光景を見ることができます。
もちろん北の海らしいマクロ生物も魅力的!
北海道らしいゴッコやアツモリウオ、ホッケなどの生物は水温が一桁になる冬の時期が面白いらしいのですが……
北海道外のダイバーからすれば夏でも十分楽しめました。
7月にも関わらず、ダンゴウオのチビや写真のようなスナビクニンが見れたり、エゾメバルやアイナメといった南では見れない魚も出てきます。
- シャコタンブルーの澄んだ美しい海
- 溶岩が冷え固まってできた柱状節理が作るダイナミックな地形
- 昆布が作り出す北海道らしい光景
- 北の海特有の生き物たち
大きく夏の積丹のダイビングの魅力をまとめるとこんな感じです。
ちょっと潜ってみたくなってきますよね。
ここまで書くと、
「実際に積丹ってどうやって潜ればいいの?」
「どこに泊まれば良いの?」
という声が聞こえてきそう。
確かに北海道のダイビングって北海道外のダイバーからすると、どう申し込めば良いのかわからないですよね。
そんな積丹のダイビングスタイルを次は紹介していきます。
北海道・積丹のダイビングスタイル
積丹へは札幌から車で約1時間半程度です。
基本的には札幌のホテルを滞在して、朝迎えに来てもらい積丹で2ダイブ、そして夜は札幌に戻ってくるというスタイルが一般的です。
なので札幌のダイビングショップさんにお世話になりながら、積丹に潜りに行くというのが良いかもしれません。
僕も今回の支笏湖や積丹でのダイビングは、札幌にある老舗ダイビングショップのロビンソンダイビングサービスの西村さんにお世話になりました。
ちなみに積丹町といっても広いエリアでダイビングは美国という積丹半島の手前側と幌武意という美国の少し奥のエリアに分かれています。
西村さんは冬は幌武意エリアで夏は美国エリアを中心に潜っているそうです。
今回はせっかくなので両方連れて行ってもらいましたが、どちらも特徴的な海で本当に面白かったです。
幌武意にはアクアキャット幌武意という現地のダイビングサービスがあるのでレンタカーに乗っていける人は幌武意まで行ってもいいと思います。
ここからはこの2つのエリアについてそれぞれ紹介していきます。
積丹町・美国エリア
美国エリアのダイビングといえば、やっぱりこの柱状節理、ビヤノ岬ですよね!
こんなに巨大な柱状節理は他のエリアには少ないし、形が宮殿みたいな感じですごくカッコいい!
与那国の海底遺跡みたいという人もいるそうです。
確かに似てるかもしれませんが、与那国より全然細かい柱でより芸術的。
与那国はより遺跡感のあるような平な部分が多かったりと平たいイメージですね。
積丹の柱状節理は縦に高く細かく伸びるようなイメージ!
少し流れはかかるポイントではありますが、岩の上にはブイがあり、ボートを係留してのダイビングになるので安心ですね。
根のトップは10mもないのでエントリーした瞬間に柱状節理の大きな根が見えます。
シャコタンブルーのクリアな青がすごく綺麗で水面から見ているだけで、その独特な形、そして色合いが見れます。
エントリー自体はブイがあるので、それに沿っていくので安心。
そのまま潜降していく風景がまた美しい。
もうこの辺から、「ものすごい景色が広がっているんだろうな」という確かな手応えと想像でドキドキしてくる。
こんなに心が揺さぶられるダイビングは久しぶりでした。
そして、大きな根を降りて見渡すと……
ドーーーンと出ました!
積丹のダイビングの名物、「ビヤノ岬沖」の柱状節理!
あまりの大きさ、壮大な雰囲気、そして迫力に。
一瞬カメラを撮る手が止まりましたよ。
正直どの角度が見ても美しいし芸術的。
僕はあまり縦で撮っている写真を見たことなかったので、この柱状節理の高さ積み重なり具合を表現したくて縦で撮ってみました。
いやあ、正直すごすぎるでしょう。
ガイドの西村さんが柱状節理の柱の上にいるのですが、比較するとその大きさがよくわかりますね。
写真で見てもその魅力は伝わりますが、実際に見ると本当に大きい!
とにかくその巨大さは圧巻です。
北海道の雄大な景色というのは水中まで広がっていたんですね。
もちろん地形だけじゃなくて北の海特有の光景も。
浅い方にはエゾメバルと呼ばれる岩手県より北のエリアに生息するメバルのものすごい群れに会うことできました。
エゾメバルは北海道では、ガヤガヤと賑やかなほど獲れることから”ガヤ”と呼ばれるほど多い魚です。
「ビヤノ岬沖」に群れていたのは小さい子供たち。
他のポイントでは少し大きめの親が群れていて確かにガヤガヤとしていました。
ちなみにさっきの写真の後ろに写っていたのはヒダベリイソギンチャクという寒流系の生息域を持つイソギンチャクの仲間です。
色の少ない北海道の海に色彩を加えてくれる貴重な種。
こんな黄緑色の個体が群れる場所から茶色い個体が群生している場所などありました。
ちなみに地形の写真に写っている黒い粒々は全部ウニなんですよ。
他にもガヤを狙うキツネメバルや、アイナメ、ヒラメといった地味だけど、美味しそうな魚もちょこちょこ見ることができました。
ここのポイントは夏の積丹でダイビングを、いや夏の北海道でダイビングをするなら必ず潜ってもらいたいポイントです!
たぶん、日本全国探しても積丹ほどの柱状節理が水中で見れるところは少ないと思います。
この”ビヤノ岬沖”に潜りたい人は、夏の時期。
そして美国エリアで潜るショップさんにお問い合わせ下さい。
小宝島
もちろん、この美国エリア面白いのは柱状節理だけじゃないですよ!
ここは「小宝島」と呼んだりする講習でも使うような穏やかなポイントなんですが、ここのマクロダイビングや昆布、そして水路やちょっとした地形などの織りなす景色がまた美しいんです。
ちなみに「小宝島」というのは積丹町美国エリアのシンボル宝島の隣にある小さな島との間にあるポイントだから、そう呼ばれています。
この宝島、空から見るとこんなハート柄をしていて、めちゃくちゃ美しい。
空から見ると、積丹ブルーの海が一目瞭然です。
この写真だけ見たら、まるでどこかの南の島のよう。
でも安心してください!
水中はしっかり北の海の風景が広がっています!
シーズンは終わりで昆布はかなり減っているし、
だいぶウニにかじられていますが、それでも昆布がモリモリ!
このかじられた昆布の不均一な形が美しいし、北海道の海の豊かさを表しています。
もちろんガヤ(エゾメバル)もガヤガヤと。
すごく地味だけど、俯きがちなその表情とくりくりした大きな目が可愛くて好きな魚です。
今度はガジという魚。
ややこしいですが、ガジは本名です。
これも伊豆がメインの僕には初めての魚でした。
国内では日本海側は富山より北、太平洋側は青森よりも北に分布しているそうです。
背中の模様と顔の模様が特徴的で見つけた時はすごく興奮しましたが、西村さん曰く普通のその辺にいる魚だとか。
普通種でも全然いる生物が違うから北海道の海はダイビングしていて本当に面白いですね。
スナビクニンはこの時期でも狙える生物です!
ダンゴウオと並ぶ冬のアイドルが夏でも見れるってさすが北の海ですね!
特に今年は例年になく水温が高く生物が少ないと西村さんがおっしゃっていましたが……
伊豆ダイバーとしては北っぽい魚もちらっと見れて、ウエットでも快適な海で潜れて十分満足すぎる結果でした。
積丹町・幌武意エリア
積丹町のもう1つのダイビングエリアが美国よりも少し先の幌武意エリアです!
美国から車で20分ほどより積丹半島の先端側に行きます。
ここの柱状節理もとにかく見事なんです。
美国の柱状節理はギュッと固まっているイメージがありますが幌武意はとにかく、だだっ広く広範囲に柱状の地形が広がっています。
上から見ても、ものすごい!
まるで神殿のような作りで泳いでいるだけでワクワクしますね。
写真を撮る時はせっかくなら柱状節理のゴツゴツ感を出したいので少し上からのアングルを狙うのがいいかもしれません。
このポイントは「キャニオン」というポイントです。
とにかく1つ1つが大きい!
まるで神殿のような景色。
キャニオンの浅瀬にはまだ昆布が残っていて地形と昆布、そして積丹ブルーという夏の北海道の魅力全部乗せのような写真も!
そして積丹ブルーが非常に気持ちいいですね。
もちろん幌武意エリアもマクロも面白いです!
2本目は「前浜」という港からすぐ目の前のポイントに潜ったのですが、豊富なマクロ生物に魅了されました。
どこにでも隠れているコケギンポは積丹らしくウニと一緒に。
7月末にも関わらずダンゴウオがまだまだ健在。
春先にはダンゴ魚だけじゃなくてゴッコちゃん、ホテイウオの幼魚もたくさんいるそうで、やっぱりマクロ楽しみたい人は秋から春に来て欲しいとのこと。
既に秋と冬は絶対行こうと決めています。
他にもカナガシラの幼魚が胸鰭を広げていたり、
模様が特徴的なキツネメバルの幼魚がいたり!
とにかくマクロも面白い!
今回、幌武意は日中2ダイブとナイトだけのダイビングでしたが全然足りない。
本当に面白い良い海でした!
ちなみに幌武意にはアクアキャット幌武意という現地サービスがありますので、そこに申し込むのがいいですし、僕はロビンソンの西村さんに今回は連れてきてもらい両エリア潜りました。
同じ柱状節理のポイントではありますが、どちらも雰囲気が違い楽しめるので日程に余裕がある人は両方潜ってみることをオススメします。
船の上から見る景色も絶景
とにかく北海道はダイビングをする前の景色も絶景なんです!
陸からのドライブや展望スポットだけでも人気のエリアなんですから海から見た景色が美しくないわけないですね。
幌武意エリアでは女郎子岩や島武意海岸など有名な観光地にもなっているところがあり、そんな景色を見ながらダイビングポイントに移動できるのも楽しみの1つです。
ちなみに美国エリアの「小宝島」のポイントではこんなところに船を停めてダイビングをするので景色も雰囲気も最高です。
夏の時期の積丹はもしかしたら、ダイビングをしなくても景色だけ見に来ても楽しいんじゃないかと思うほど絶景続きです!
海にも陸にも北海道の雄大さを感じることができます。
日本一豪華なダイビングランチ!積丹のウニ丼
積丹でダイビングをしたら絶対食べたいのがウニ丼です!!
おそらく、ここまでの記事を読んでくれた方は北海道のダイビングに衝撃を受けてくれていると思いますが……
またこのウニ丼の濃厚さ、そして思わず笑顔になってしまう美味しさが衝撃的なんです!!
絶対の絶対の絶対に食べた方が良い。
僕らが関東で食べていたウニは全く違う食べ物だったんだと気付きますよ。
積丹でのウニ漁は6〜8月の3ヶ月間の間だけ。
この期間に獲れたウニを保存料などを一切使用せずに、新鮮なまま出すからウニ本来の味を楽しめるんだとか。
夏の積丹のダイビングとウニはセットで良い時期なんですね。
世界中いろんなダイビングのランチを食べましたが、
いままでで1番美味しかったし幸福感の高い最高のランチでした。
おわりに
ここまで夏の積丹のダイビングの魅力を紹介してきました!
正直僕も積丹に潜れたのは3日だけで全ての魅力を知っているわけではありません。
それでも1つ言えることは北海道、積丹のダイビングは南国に負けないくらい魅力があること!!
いや逆に北海道にしかない魅力に溢れている。
ここにしかない光景や生き物、そして大迫力の柱状節理の地形。
もっと多くの人に知ってもらいたいし、
フォーカスされても良いのではないかと思います!
これからも北海道の海にシーズンを通して潜っていこうと思います。
また記事をドンドン更新していきます!
今回お世話になったダイビングショップ
北海道のプロフェッショナルなダイビングショップ!札幌にお店を構え、夏だけではなく冬の積丹の生態系が面白いシーズンまで1年中北海道の海や川、湖の時々の最高の景色を案内してくれる。知床ウトロで流氷ダイビングを開催している唯一のショップです。
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むしろセットで潜って欲しい。
札幌の到着日に潜れるし、積丹とは違う癒しの光景。
冬の北海道のダイビングといったら、やっぱり知床ウトロの流氷ダイビングも外せない!
水温がマイナスの氷の世界。
まずはそんな世界があることから始めてみるのも良いでしょう。
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