ワイルド&華やかなモルディブクルーズ。魅力満載の1週間の旅

モルディブ・ダイビングクルーズ

日本人のダイバーなら誰もが憧れるモルディブの海。

僕も今回は旅行会社STWさんに手配して頂き、日本人のスーパーガイドのカオリータさん率いるモルディビアンスターズにお世話になり1週間のクルーズに2週連続で乗船してきました。

いままで多くのダイバーが潜ってきたモルディブ。
僕も今回の撮影に向けて下調べのために多くのダイバーからモルディブの魅力や楽しみ方を事前に聞いていました。

すると、みな言うことが違うんです。

「ジンベエやマンタの大物が見られるよ」

「サメだらけ!タイガーシャークやブルシャークも」

「インド洋らしい固有種」

「ソフトコーラルがすごい」

「キンギョハナダイがめちゃ群れてて華やか」

全員が好意的だけど、それぞれ自分の中にモルディブの好きがあるんです。

確かに調べている段階で素晴らしい写真や映像がたくさん出てくるのですが、今回は映像制作の仕事がメインでのモルディブだったので、どこを切り取るか、どこに重点を置くべきか、本当に悩みました。

しかし、そんな悩みモルディブの海に潜ってしまえば、全てが一瞬で解決。

1日目のチェックダイブからスピナーシャークがムレハタタテダイの中を突っ込んで登場してきたり、

少し潮通しのあるチャネルや隠れ根ではハナダイやツノダシが群れる華やかな光景があったり、

僕の中でイメージしていたTHEモルディブの景色、オーバーハングとそこにある薄紫のソフトコーラル。

水面マンタ

そして水面では10枚以上のマンタが捕食をしているシーンにスキンダイビングで遭遇することができました!

もちろんタイガーシャークやジンベイザメ、ナイトダイビングでのマンタの捕食シーンにも遭遇。
とにかく全てが一級品の海でした!

大物も魚影も華やかな光景も、インド洋らしいシーンもどれもが本当に素晴らしかった。

このモルディブの海の懐の深さが多くのダイバーを引き込む魅力なんだと。
そしてその素晴らしい出会いの連続から、それぞれのダイバーが自分の好きを発見する海なんだなと。

ぜひワイドが好きなダイバーはモルディブの海に1度潜りに行って見てほしい!

今回は映像制作の側で撮影した写真や映像の切り抜きから、僕の感じた魅力を少しだけお伝えできたらと思っています。

様々な種類のサメに会える!

スピナーシャーク
チェックダイビングで出会ったスピナーシャーク

モルディブの海に潜って、まず最初に感じたことが、とにかくサメが多いということ。

サメの数が多いことはもちろんですが、種類も非常に多い。

国内にいると、そんなに頻繁にサメを見る機会は多くはないし、同じエリアでは同じ種類のサメと出会うことが多い気がします。
例えば関東圏ならドチザメやハンマーヘッドシャーク、沖縄ならホワイトチップシャークやカマストガリザメといったように。

グレイリーフシャーク

ドロップオフのように切り立った壁から沖を見ると、こんなふうにグレイリーフシャークがぐるぐる回っているようなポイントがあったり、グレイリーフシャークのクリーニングステーションがあったり、本当に多くのポイントでサメを見ることができます。

振り返ってみると、ほぼ毎ダイブ、何かしらのサメは水中で見られている気がします。

サメと生き物の距離が近いので、最初に紹介した写真のように「スピナーシャーク×ムレハタタテダイ」といった他の群れと一緒に撮れるシーンがあるんです!

そしてこういったコラボが狙えるのもモルディブの海の特徴かもしれません。

フィッシュヘッドというモルディブを代表するポイントでは、魚が本当に多く、「グレイリーフシャーク×タカサゴ系の幼魚」がごっちゃり。

同じくフィッシュヘッドでは、ホワイトチップがタカサゴ系の仲間から顔を出す瞬間と言ったように。

ちなみに、このフィッシュヘッドというポイントの由来が面白い。
今では禁止されているそうですが、かつては釣りでも有名だったらしいんです。
ただし、「釣った魚が引き上げるまでにサメにかじられ頭だけになってしまう」ことから、フィッシュヘッドという名がついたのだとか。

ブルシャーク

他にもちょっと大型のサメだと、僕も今回初めて出会ったブルシャーク!

ブルシャークの和名はオオメジロザメで、
ホホオジロザメとイタチザメと並ぶ世界3大危険なサメの1種です。

出会った時にまず思ったことは、とにかく太くてでかい!
まるで大砲のような体をしていました。

その巨体に腰を振りながら泳ぐ姿は、街でみるヤンキーそのもの。
目の前から泳いできた時にはついつい避けて通り道を譲ってしまいました。

タイガーシャーク

他にもイタチザメ、タイガーシャークにも出会いました!

こちらも初めての遭遇!

もちろん襲われるということもなく、どちらかというと逃げてしまうので、一瞬の撮影チャンスをものにできて良かったという安堵感。

とはいえ怖いサメでもあるので無理に近づくのはダメですね。

トンガリサカタザメ

他にもずっと見たかったギターシャーク(トンガリサカタザメ)にも出会えました!

ギターシャークはサメと名前が付いているものの、本当はエイの仲間です。
あまり国内では出会えないし、いままで見たことない種だったので嬉しくてサメに入れちゃいました。

今まで神子元のハンマー以外であまりサメを狙って潜ることはなかったのですが、モルディブの海は種類も多く出会い方も様々なためサメを狙うのも楽しい!

たくさんの種類のサメと会えるのも楽しみの1つだなと思いました。

憧れのジンベイやマンタに出会える!

そしてモルディブといえば、やっぱり憧れの大物に会える海!

ジンベエとマンタでしょう!

そして今回はダイビング中にもジンベエザメに会うことができました!

モルディブの海はプランクトンが非常に多く、また風や潮で集まりやすい場所があるんです。そのエリアをドーニーという小型の船でジンベエを探して、見つけたらスノーケルやダイビングで観察するというスタイルです。

僕も何度か見てきているジンベエですが、やっぱり水中で出会えた時の喜びはひとしおです。

他にも、モルディブの海ではマンタも高確率で見ることができます!

今回は乾季から雨季へと移る時期で、風と潮が変わるタイミングだったこともあり、マンタの捜索には苦戦をしましたが……

それでも水面でプランクトンを捕食する10枚以上のマンタに出会うことができました!

スノーケリングで入ると、プランクトンを捕食するために大きく口をあけたマンタが次から次へとやってくる様子は本当に圧巻でした。

でも雨季の時期のいわゆる「ぐるぐるマンタ」や「マンタ玉」といった、マンタがハニファルベイという湾に集まって集団で捕食をする時期はもっとすごいらしい!

いつか撮影に行ってみたい光景です。

マンタといえばモルディブではナイトダイビングでマンタと出会うことができます!

クルーズ船の後ろでたく集魚灯に集まるプランクトンを捕食しにマンタがやってきます。まさに船の真後ろにマンタがやってくるんです。

とにかくマンタが近い!

ぶつかってくることはないですが、ブリーフィングでも説明がある通り、アームを飛ばしたり不用意に動くとマンタにぶつかってしまいそうになるほど。

よく見るクリーニングをされてる時のマンタとは違ってとにかくアグレッシブな姿は大迫力です!

そしてナイトマンタの撮影中、ふと横を見ると……

岩の隙間に頭を突っ込んで寝ているナースシャークが!

夜の海を舞う陽気なマンタと、それから隠れるようにおとなしく寝るナースシャークが対照的で個人的にはすごく好きなシチュエーションでした。

もうちょっと顔は出してほしかったけども……笑。

次から次へと登場する群れや大物

他にも数えきれないほどの大物が登場するのがモルディブの海。

大きなナポレオンはレギュラーメンバーとして、ロウニンアジ、ギンガメアジといった群れから、

ツバメウオの100匹近い大きな群れや

ツカエイなどエイの群れ、

そしてモブラの群れも登場!

このモブラはセブンスヘブンというポイントで最初3匹であらわれ、その後15匹、そして最後は30匹弱の群れになって何度も水中で出会うことができました。

ここまでのモブラの群れもなかなか会えるものではないので、とにかく嬉しかった!

そしてモルディブはエイの仲間がすごく多いなと感じました。

マダラトビエイなんかも群れから単体、そしてブルーウォーターから砂地の上まで様々なシチュエーションで出会うことができました。

こんなコラボまで!

モルディブはナースシャークも非常に多いから、いろんなところでコラボできちゃっていますね!

僕が見る時はいつもナースシャークは砂地にゴロンとしている気がするのですが、この時もあちこち動くマダラトビエイとずっと動かないナースシャークが対照的でした。

モルディブにはナースシャークが集まるポイントがあるので、

そこではこんな感じに横たわるナースシャークから泳いでいる個体までたくさんナースシャークに会うことができます。

サメはちょっと苦手という人も、このおとなしいナースシャークなら大丈夫でしょう。

じっとしていると自分の足元に寝っ転がってきたり、体を地面に擦り付けて、すりすりしている姿が本当に可愛い。

ソフトコーラルと魚たちが彩る華やかな光景

僕がモルディブに潜って、やっぱり1番好きだった光景が、このソフトコーラルと魚影が作り出す華やかな空間でした。

このオーバーハングから垂れ下がる藤色のソフトコーラルは、なかなか他エリアで見ることができない上にそこに黄色のヨスジフエダイが入り込む、なんとも贅沢な光景。

ここは「マーロスティラ」というポイントでここで毎ダイビングしても良いほど好きでした。

他にも「ナシモティラ」というポイントは空港から近く、すぐに行けるポイントにも関わらず本当に美しいソフトコーラルが広がってました。

オーバーハングになった地形にはアカマツカサの仲間など暗がりを好む赤色系の魚が隠れているので、それがまたストロボを当てるとすごく良いアクセントになる。

他にも、こんなふうにキンギョハナダイが乱舞する光景も、たくさんのポイントで見ることができ、

さらにはその中にツノダシやニシキヤッコ、タテジマキンチャクダイなど体色が美しい南国の魚が入り込んでくるので本当に華やか!

僕がホームグラウンドにする伊豆もキンギョハナダイとソフトコーラルは多いですが、そこにこういった南国のカラフルな魚が絡むシーンは少なく、モルディブらしい光景だなあと思いました。

そして根から顔を上げて中層を見上げると、こんな風にムレハタタテダイが群れている。

とにかく賑やかなんです!

カスミアジなどの捕食者が入ってくると、縦横無尽に魚たちが動き回り本当に忙しい。

またヨスジフエダイがすごい量いるのもモルディブらしい光景だなあと思いました。

ここは「クダラティラ」というポイントで、とにかく根回りに驚くほどヨスジフエダイがいる。

そしてその根頭にはモルディブアネモネフィッシュというモルディブ固有種のクマノミがいて、これも同時に見ることができるんです!

サメの時もそうでしたが、こういった魚と魚の距離が近く密集度が高いのはモルディブの特徴かもしれないですね!

インド洋の固有種たち

モルディブは僕ら日本人が普段潜っている太平洋ではなく、インド洋の中央にあります。

そのため見れる生き物も太平洋タイプやインド洋タイプという違いがあったり、インド洋でしか見れない生物もたくさん観察することできます。

今回はクルーズ中に紹介してくれた中でも特徴的だった2種類のチョウチョウウオの群れをご紹介。

コラーレバタフライフィッシュ
ブラックピラミッドバタフライフィッシュ

どちらも群れになってくれるし、青い海に映えるので撮影してた楽しい被写体!

ついついワイドレンズを持ってワイルドな景色やハナダイなど華やかな方ばかり見てしまいましたが、こうやって考えるともっとインド洋の生き物見ておけば良かったなと。

ただモルディブに来たらどうしても見ておきたかったのが、このイザヨイベンケイハゼ!

日本では昔、串本や屋久島などで見れていたこともあるのですが、その頃は僕はまだカメラマンじゃなかったな。

と思いながらずっと憧れていた子でした。
モルディブは比較的多いみたいで、クルーズが終わって1日延長した時に空港の近くの停泊する場所からのダイビングで連れていって頂きました。

1日延長するの、おすすめです!

おわりに

今回はモルディブの王道ルートを回るメインのクルーズでした!

まさにモルディブらしい大物からサメや華やかな景色や魚群。ナイトも含め滞在中に1日15本のダイビングをしましたが、全て違うポイントに潜りながら、毎日驚きがある本当に楽しい滞在でした。

モルディブクルーズに通う人の気持ちがわかります。

クルーズのダイビングというとハードなイメージが強いですが、正直リゾートと違ってクルーズはご飯もホテルもダイビングも全て同じ場所で過ごせるので本当に快適です。

ぜひ行ってみて下さいね!

今回お世話になったモルディビアンスターズのガイド陣の皆さま本当にありがとうございました!

ちなみに今回は旅行会社のSTWさんの企画で映像撮影のかたわら写真も撮ってきて、この記事を書いてます!

ダイブナビから予約すると、飛行機からすべて付いてるので楽々です!