古座のダイビングはまさにカラフルな不思議な世界!
ふんわりした写真や色のある景色が好きな人には、たまらないダイビングスポットです。
古座は本州最南端・串本町の東側にあり、清流の古座川から流れ込む栄養素が豊富なエリアです。
古座川には国の特別天然記念物のオオサンショウウオが生息するほど。
その栄養素がソフトコーラルやホヤなどを育て、多種多様な生物が生息できる環境。
そして独特の美しい色彩の光景を作り上げています。
まさに絵画の印象派の作品のように散りばめられた色合いが芸術的。
よく壮大な地形ポイントで”自然の作り出した芸術”という表現がするが、それとは違うし……
”時の流れを感じるような時間軸的な芸術”とも違う。
まさに明るくて楽しいポップアートのような海でした!
今回は和歌山県串本町・古座のダイビングを紹介していきます。
古座のダイビングの魅力
古座の海はソフトコーラルだけじゃなくてカイメンやホヤといった岩や地面にへばり付くような生き物がたくさんいます。
フォト派ダイバーの間では”生えもの”と呼ばれるやつも。
そんな生き物たちが密集しているので1枚の写真に何色もの色が入り込む、そしてその色が、ぐちゃぐちゃと混じり合うのが特徴でしょう。
古座のダイビングで感じる美しさは整った美しさではなく、どちらかというとごちゃごちゃとした美しさ。
街で例えると原宿のような。
やっぱり”ポップアート”や”ポップカルチャー”、そんな趣を僕は感じました。
そして、その多様な色や環境がいろんな生き物の住処になっていて、エビやカニもれいば、ウミウシもいたり。
生物を主役にしても色合い自体を主役にしても良いですね。
この写真とかは、ほぼ色の配置を決めたら、たまたまカサゴが入っていたみたいな写真。
ただ古座の海は甲殻類とかも面白い生き物多いし、外洋エリアにはダイナミックな海も広がっている。
また古座のダイビングサービスのDIVE KOOZAの上田さんは生き物の生態も詳しいし、甲殻類などもめちゃくちゃ魅せてくれて面白い。
古座のダイビングはポップなイメージとは反対なイメージの人も多いかもしれない。
普段は関東で潜っている、色のある写真が好きな僕の目線で解説しています。人それぞれ楽しみ方はありますが、こんな楽しみ方もあるんだって読み進めてもらえると嬉しいです。
「上の島」のホヤとソフトコーラルは必見
古座のメインのダイビングポイントといったら、「上の島」でしょう!
ここは港から出てすぐの近いポイントで川からの栄養素が豊富に入るソフトコーラル、ホヤの美しいポイントです。
古座らしいカラフルな写真が撮れるのもこのポイントです。
穏やかなポイントなので初心者の方でも楽しめると思います。
ホヤがソフトコールがぶわっと生えているのは、こんな感じに根から垂れ下がるチェーンに付いているんです。
あまりにも生えているものが多すぎてチェーンの面影はありませんが……
このようなチェーンが2箇所あり、そこの光景がキレイです。
このチェーンを探すと、この記事で何度も登場しているカサゴがいたり、オキゴンベ、ベラの仲間がいたりと、普通種ながらいます。
こんなに美しくカサゴを撮りたくなるポイントは他にないかもしれない。
時にはホヤを食べるセトリュウグウウミウシも!
このシチュエーションって結構、憧れだったりしますよね。
僕もインドネシアのコモドでホヤを食べるウミウシの写真を見てから、ずっとこのシチュエーションはいいなと思っていました。
これだけ餌になるホヤがあれば台風などで飛ばされない限り、セトリュウグウウミウシはずっとここで生活できそうですね。
ちなみにこのチェーンはホンソメワケベラなども住処にしているため魚たちのクリーニングステーションにもなっています。
ニザダイやコロダイ、タカノハダイといった普通種がメインではありますが……
合わせて撮ったりすると面白いかもしれません。
チェーンを下から見るとこんな感じ。
ちょっと変わった目線でと思いましたが、あんまり良くなかった……笑
本当はもっとキレイな丸にしてカラフルな惑星みたいなイメージで撮れれば。
魚影が濃くなった夏にリベンジしたいですね。
もちろん、このチェーンのところ以外もソフトコーラルはすごく多いです。
海底はこんな感じでヤギやトサカで足の踏み場がないほど溢れてますよ。
そして、なぜかカサゴが良いところに乗っているんです。
古座のカサゴは自分の魅せ方を知っているんじゃないかな…?
「上の島」はマクロ生物もすごく面白いので、生き物紹介は後半で。
魚影と地形が人気のブラックトンネル
今度は古座の外洋エリアのメインポイント、「ブラックトンネル」に潜って来ました!
ブラックトンネルは水深30m前後に大きな穴の空く地形ポイント。
紀伊半島で1番ダイナミックな地形で洞窟内にはハタンポが群れ、その周りにはキンギョハナダイが無数に群れ、時には回遊魚などの魚影もすごいんだとか!
根頭のソフトコーラルは見て来ましたが、実は地形は入ってないし……
マクロメインで潜ってしまったのでブラックトンネルはあまり満喫できていないんです。
本当は2日目に潜るつもりだったのですが海況悪化で潜れず。
そして今回のメインはこれナノハナフブキハゼ!
本当はキラキラハゼが見たかったのですが、どうしても見つけられず。
僕がホームグラウンドとする大瀬崎にもいるのですが、砂地が黒いため……
こんな爽やかに撮れたのは初めて!
好きなハゼの1種です。
激レア!アカグツ登場
2021年古座を賑わせた生き物といえば、やっぱりアカグツでしょう!
めちゃめちゃタイミング良くてアカグツが初めて出た数日後に見に行けました。
この愛くるしい表情。フォルムたまらないですよね。
もう一生見れないかも。
と思いながら、その姿を拝めてきました。
古座では数年前にも目撃されていて、もしかしたら初夏の時期は深場から産卵のため上がって来ているのかもしれませんね。
ちょっと変わった生き物が面白い
もちろんシチュエーションが面白いだけじゃなくて古座のダイビングはちょっと変わった生き物が見れるのも面白い!
上の写真はアカゲカイカムリというカイカムリの仲間でコクコクとうなづくような動きがめちゃくちゃ可愛いんです。
古座にはホスト(隠れ家)となるソフトコーラルなどが多いので甲殻類も多いなと潜っていました。
例えばこのウヅラカクレモエビも古座ではよくいるそうですが、伊豆では貴重な種ですよね!
出現情報が出たらフォト派ダイバーは結構撮りに行っちゃいますよね。
僕も見たことはありましたが、一眼で撮ったことなかったので嬉しくて2回も撮りに行っちゃいました。
他にも関西では当たり前のようにいますが、テヅルモヅルエビも伊豆半島では見れたら嬉しい生き物ですよね。
このクリクリした感じとキャラメルみたいな色合いがすごく可愛い。
ソフトコーラルに絡めつく気持ち悪いテヅルモヅルからは想像できない可愛さです。
関西ではテヅルモヅルを探せば高確率でいるんだって。
めちゃくちゃ羨ましい。
今度はタテヒダイボウミウシ属の1種でまだ和名のない子らしい。
正直僕はこのウミウシを知らなかったので珍しさはわからなかったですが、貴重な個体らしい。
確かにイボウミウシに対して可愛いと思ったのは初めてかもしれません。
ウミウシ繋がりでいくとインターネットウミウシもいました。
体の張り巡らされた模様がインターネットのようだからという理由で付けられた名前。
確かに昔のインターネットのイメージってこの張り巡らされた感じがあった気がしますね。
このウミウシも深場の種類なのか、すぐ沖に深いエリアの広がっているダイビングポイントに多いイメージが多く、頻繁に見られる種ではないですね。
こういう何気に珍しいのが普通に出てくるのがすごいですね!
個人的にはガラスハゼがこういうシチュエーションんにいるのもすごい素敵でした。
泥っぽいところに生えるシロアザミヤギに付いていてキレイでした。
古座の内海は内湾っぽい雰囲気でマクロ生物が面白く……
めちゃくちゃいいですよ!
おわりに
古座は紀伊半島の1番有名なポイントの串本のすぐ隣にあるポイントですが、串本とはまたひと味違った魅力のある海です。
今回の取材の期間にはアカグツまで見れるというオマケ付き!
こんなにカラフルな多彩な海はなかなか他にないと思います。
また古座ではリバーダイビングをすることもでき、特別天然記念物のオオサンショウウオを見ることもできるという。
ぜひ海も川も堪能してみてください。
お世話になったダイビングショップ
古座といえばクーザの上田さん!ガイド会にも所属するカリスマガイドでめちゃくちゃ優しく素敵なな方。水中ではいきなりワレカラや貝の目ん玉を紹介された時は笑いましたが、独自の目線で古座の海を素敵に案内してくれる。2021年には串本店もオープン!
関東ダイバーの皆様は串本に潜りに行く際は古座も1日スケジュールに入れたほうがいいですよ!
YouTubeにて紀伊半島のダイビング語ってます!
1年かけて古座・串本・須江・みなべ・日高と紀伊半島の海を潜り歩いて来たので、その魅力をYouTubeにまとめてみました!
紀伊半島に潜りに行く際はこのYouTubeをみて、どこのポイントを回るか参考にしてみてください!