三宅島のダイビングには独特な魅力がある。
どこか沖縄を感じる南国な雰囲気はるあがリゾート感はない。
伊豆の海を彷彿させるような素朴さはあるが日帰りで行けるような気軽な海ではない。
しかし、これぞ三宅島と言える
黒色の大地が作るダイナミックで独特の景観があるんです!!
伊豆諸島・三宅島にはダイビング雑誌などでは、あまり特集されないが沖縄でも伊豆でもない、ここでしか味わえない海が広がっています!
黒潮の影響を色濃く受けた豊かな海に溶岩が流れ込むことで出来た複雑かつ豪快な地形。
そしてそこに住む様々なマクロ生物。
あまり知られていないけど、実はめちゃくちゃ面白い三宅島のダイビングについて、誰よりも詳しく紹介します!
ちなみに三宅島は移動に飛行機を使わないので東京から1泊2日で4ダイブと土日だけでも十分楽しめるんです!
三宅島のダイビングのモデルプランはブログの最後に載せてあります。
三宅島のダイビングの魅力4選
まずはこれだけ見たら行きたくなること間違いなしの三宅島ダイビングの魅力4選を紹介していきます。
溶岩が流れこんで出来たダイナミックな地形
やはり三宅島のダイビングで1番見てほしいのはダイナミックな地形です!
三宅島は火山の噴火によって出来た島で、噴火の際に海に流れ出た溶岩が冷え固まってできた写真のようなアーチ型の地形や大きな根がたくさんあります。
写真は富賀浜というビーチポイントにある地形ですが、人10人が手を繋いで通れるほど大きなアーチがあります。
水中に洞窟のあるポイントは多いですがアーチがある場所は珍しいですし、地上じゃ絶対に見れない光景です!
海の青とアーチのしたの暗さのコントラストが非常に美しい。
このアーチの下にはテングダイがいることもあったり、ヤッコ類が住んでいることもあったりとぜひ生物も絡めて見て欲しい。
三宅島の中心には雄山という活火山があり過去何度も噴火をしてきました。今も噴火するの可能性はあります。その雄山が2000年に噴火し、8年間の全島民避難の生活が続きました。
8年間人のいなかった三宅島の海はすべての生物が大型化していたそうです。
他にも溶岩で出来た複雑な地形に、波が当たる様子なんかも美しいんです!
波が磯にぶつかり砕けている様子は神々しく海の荒々しさやダイナミズムを感じることができます。
こんなダイナミックな景色がビーチポイントから見られるが三宅島のダイビングのすごいところですね!
黒潮の影響を色濃く受ける豊かな海
三宅島は黒潮の影響を色濃く受ける海です。
黒潮が当たると一気に透明度や水温が上がり、透明度20mオーバー水温28度のような南国感あふれる景色になります。
この黒潮の透き通るような青は沖縄にはない光景です。
さらに三宅島自体が火山の噴火で作られているため白い砂浜はなく、すべて黒い砂利浜です。
この黒い砂利に青い海、そして太陽の光が入ってくると本当になんとも言えない癒やしの空間が出来上がるんです。
僕はこの海に顔をつけた瞬間「あっ三宅島に来たな。」と少し嬉しくなります。
他にも黒潮の青い海は様々な生物を運んできて魚影も非常に濃い。
ダイビング中にタカベの群れが来たりツムブリが通ったりとワイドにも楽しめます。
また黒潮の温暖な海は豊かなテーブルサンゴも育みます。
このテーブルサンゴの群生地は「富賀浜」というダイビングポイントにあるのですが、テーブルサンゴの群生地としては北限です。
さきほどのアーチがあったのも「富賀浜」という同じポイントです。
溶岩のジオ感あふれる伊豆のような地形にサンゴが群生している風景は、ここでしか見れず1度は見ておきたい光景です
伊豆と沖縄の中間のような海
三宅島の魅力を一言でと言われたら「伊豆と沖縄の中間のような海」と表現するのが1番良いかもしれません。
というのも水温の変化や火山で出来ているジオ感は伊豆に近い。
カサゴやウツボなど、THE伊豆っぽい生き物もめちゃくちゃいるんです。
でも確実に伊豆よりも季節来遊魚も多く、
サンゴやカイメンなどは伊豆にないタイプの種も多く生息し、沖縄の雰囲気も感じます。
この伊豆生物も沖縄の生物もどちらもみれる、伊豆と沖縄の良いとこ取りをしている海が三宅島なんです。
超人気生物が多い!
三宅島にはいわゆる人気生物がたくさんいます!
伊豆ではよく3種の神器とか言われるフリソデエビ・クマドリカエルアンコウ・ニシキフウライウオなんかは夏場は大体常に見られます。
2020年は夏の間ずっとフリソデエビは同じ場所で見られダイバーに大人気でした。
他にもクマドリカエルアンコウも多く、1センチもない幼魚サイズから越冬したような大きな個体まで見れます。
クマドリカエルアンコウも15年以上連続で発見され、今年は一時期全てのカラーが見られました。
僕も潜っている最中に1ダイブで2個体も新たなクマドリを見つけるなど、写真を撮らずに自分で生き物探したりするのが好きな人も楽しめると思います。
自分で見つけるとめちゃくちゃ嬉しいですよ!
もちろんニシキフウライウオも。
ダイバー憧れのあの生物たちもコンスタントに見つかるのが三宅島です。
普段は行列ができてしまって粘って写真が撮れないアイドルも、三宅島はダイバーの数も少ないし、ビーチダイビングだから好きなだけ粘って撮ることができます。
マクロではないですがアオウミガメも三宅島には非常に多い!
早朝や夕方のダイビングはほぼ確実にアオウミガメに会うことが出来ます。
関東からは1番近くコンスタントにカメに会える場所だと思います。
1ダイブ5〜7個体見れることもあるんですよ。
やっぱりカメに会えると嬉しい。
沖縄まで行かなくてもウミガメに会うことは出来るんですよ!
三宅島のダイビングで見られるマクロ生物
ここからは伊豆と沖縄の中間のような三宅島でダイビングをするなら、ぜひ見てもらいたい生物をドンドン紹介していきたいと思います。
黒潮のめぐみは透明度や水温だけでなく様々な南方種(季節来遊魚)を運んでくることにもあるんです。
バリエーション豊富な生物達を見ていきましょう。
三宅島で絶対見て欲しい生き物
ユウゼンは小笠原や八丈島で有名ですが、三宅島でも見ることが出来ます!
ただし個体数は少なく見れても1ペアとか。
ユウゼン玉のようになることはありません。
逆にだからこそレア感があって、三宅島で見ると特別感がある。
また三宅島が北限だとも言われています。
キンチャクガニが多く見られるようになるのも三宅島からです。
沖縄に行けばたくさんいるのかもしれませんが三宅島でも見れちゃいます。
めちゃくちゃ多い年もあれば少ない年もあって、絶対見れるわけではありませんが個人的には三宅島の好きな生き物です。
ジャパニーズピグミーシーホース!
最大で1センチ前後のめちゃくちゃ小さなタツです。
いまではハチジョウタツと正式に和名の付いたタツです。
肉眼で見るとゴミみたいな大きさですがちゃんと光を当ててよく見ると美しい体の模様をしているんです。
めちゃくちゃ見つけるの大変ですが、自分で見つけちゃったりしたら大興奮すること間違いなし!
三宅島の大久保というポイントは日本でもトップレベルの個体数を誇り、探せば高確率でみることができます。
ヤッコ類も多い!
三宅島のダイビングでは大きな根の周りを潜ることが多いのですが、そんな時よく目に入ってくるのがヤッコ類です。
岩がオーバーハングしているところを覗けば大体レンテンヤッコがいてくれます。
その紫とオレンジの体色が水中でも目立って初めて見るダイバーには嬉しい。
沖縄や伊豆に少なく、三宅島から小笠原にかけての伊豆諸島で多く見られるイメージです。
さすがに成魚サイズはいませんが、タテジマキンチャクダイやサザナミヤッコの幼魚なども人気です。
岩と岩の隙間の暗い部分にいるため写真は撮りづらいですが、挑戦してみて下さい。
他にもソメワケヤッコやアブラヤッコ、アカハラヤッコなど伊豆には少ないヤッコ類が豊富にいます。
「学校下」廃校の前のポイントにはトサヤッコも見ることができます。
だいたい同じ場所にハーレムを作っているので行けば見ることができます。
おそらくトサヤッコが生態を作るのも三宅島が北限ではないと言われ、海が切り替わる場所なんだなと感じることができます。
幼魚がカワイイ
三宅島にはとにかくたくさんの幼魚が流されてやってきます!
他にもイロブダイやアマミスズメダイ、もちろん上で紹介したタテキンなども幼魚のうちに三宅島に流れ着きます。
幼魚好きな人にはたまらないポイントなのかもしれません。
ウミウシも多い
三宅島は1年を通して多くのウミウシも観察することができます!
その中でも個人的に特に個体数が多くカラフルなものをピックアップしてみました。
他にもアデヤカミノウミウシやゾウゲイロウミウシなど様々な種類のウミウシが三宅島の壁にはたくさんいます。
学生時代に三宅島でウミウシだけダイビングとか宣言して潜ってた時は1ダイブで20個体とか素人でも普通に見つかっていまいた。
こんなダイナミックな地形で目を凝らして壁だけ見て、ウミウシを探すなんてどれだけ贅沢なんでしょう。
御蔵島へのドルフィンスイム
みなさん。
イルカと泳ぎたくないですか?
こんな風にイルカと一緒に泳ぐのが夢なんですって方!
三宅島でその夢叶っちゃいますよ!
日本でイルカと泳げる場所といえば御蔵島です。
なんとその御蔵島まで三宅島から船で行くことが出来るんです。
午前中は2ダイブして午後からドルフィンスイム!
そんな素敵なプランが組めちゃうんですね。
御蔵島ではスクーバ器材を背負って海に入ることは禁止されているのでスキンダイビングでイルカと泳げます。
イルカは泳ぎ方を練習すれば、こちらに興味を持って近付いて来てくれたり、観察したりと意外とゆっくり観察することができます。
わざわざ離れていたイルカが近寄ってきて僕らの前を通り過ぎて行ったり。
イルカは本当にカワイイし、癒やされる。
三宅のドルフィンスイムはあくまで体験
三宅島からのドルフィンスイムは漁船での移動になります。
片道約1時間ちょっと、波が高い日もあります。
船酔いしやすい人には少し厳しいかもしれません。
またエントリーエキジットする場所が一箇所だったり、
船が大きいため御蔵島のイルカ船よりも小回りが効きづらいなどのデメリットがあります。
ドルフィンスイムだけを楽しみたい方は御蔵島に滞在した方が絶対良いでしょう。
三宅島はダイビングもイルカも両方楽しみたい!
そんな人にはオススメです!
三宅島の行き方
三宅島への行き方は
東海汽船が運行している船と飛行機の2パターンあります。
ほとんどの人は東海汽船を利用して三宅島に訪れます。
東海汽船の場合
東京の浜松町駅にある竹芝桟橋から船に乗ります。
夜発の船で夜22:30分に出港し、朝の5時に三宅島に着くスケジュールです。
帰りは13時45分発19時50分に東京竹芝桟橋に戻ってきます。
料金はシーズンや座席によって変動しますが、1番安い2等和室で片道6000円〜8000円くらい。
インターネット予約や学割などかなりお得な制度もたくさんあるので、三宅島に行くことを決めた人は必ず東海汽船の公式HP:https://www.tokaikisen.co.jp/boarding/をチェックしてみて下さい!
また東海汽船の快適な過ごし方はダイバーズ学園という学生ダイバー向けの情報サイトにまとめましたので合わせて読んでみると良いかもしれません。
飛行機の場合
調布から1日2〜3便の飛行機に乗ることも可能です。
飛行機だと片道50分で着くので非常に楽ですね。
片道は17500円(2019年10月時)と船よりは高いですが快適性を求める方には良いかもしれません。
僕も乗ったことないので、いつか乗ったらレポートします。
三宅島のモデルプラン【オススメ】
ここでは土日の2日間を使って最大限、三宅島のダイビングを楽しむプランをご紹介していきます!
三宅島は沖縄と違って飛行機に乗る必要がないので、土日2日間あれば十分離島旅を満喫できるんです。
それは金曜夜発の東海汽船を使っていく方法で、三宅島では安くてたくさん潜れる王道のプランですね。
金曜夜22時30分 竹芝出港
仕事終わりにそのまま三宅島行くんです!
(僕も銀行員時代はスーツに革靴で行ったことも。)
夜22時30分に浜松町駅にある竹芝桟橋なら仕事終わりに十分間に合っちゃうんです。
残業がない会社の方は1回家に帰れちゃうかもしれないですね。
ちなみにこの時のコツは器材を事前に三宅島に送って置くこと。
そして地味ですがサンダルを忘れないこと。
僕はサンダルをメッシュバックに入れて郵送してしまったため、海パンに革靴というチグハグな姿で船から降りることになりました。
サンダル盲点ですからね。
気をつけて下さい。
三宅島に行く船の橘丸の船内にはレストランもシャワーもあるので安心してスーツで行って下さい。
朝5時到着
ちょっと早いですが朝5時に三宅島に到着します。
ほとんどはダイビングショップの方か宿の方が迎えに来てくれているので、そのまま車に乗り込み宿で仮眠します。
ちなみに僕は早朝から休まずに潜り行っちゃいますが…。
午前中に2ダイブ
朝7時半くらいから朝食を食べ始めれば、そのまま午前中は三宅島で2ダイブすることができます!
三宅島はビーチダイビングが多いので時間は割と融通が効くことが多いんです。
午後はドルフィンスイム
午後からの船で御蔵島にドルフィンスイムに行くのも良いでしょう!
もちろん、ここをダイビングにすることも可能です。
ただ御蔵島に行ったことがない方はドルフィンスイムをオススメします。
やっぱり野生のイルカが目の前を通り過ぎてく様子は感動するし最高です。
夕陽は伊豆岬灯台へ
三宅島の水平線に沈む夕陽は美しい!
この夕陽をみるなら伊豆岬灯台がベストです。
島の西側にある灯台で美しい地層が見えたり灯台の雰囲気が良くてまったりした気分になれます。
もし宿で車が借りれる場合はぜひ行ってみて下さい。
ふるさと湯という温泉の近くにある溶岩帯から見る夕陽もキレイなので、温泉に入る人はそちらの夕陽も良いでしょう。
2日目は朝から2ダイブ
2日目も午前中に2ダイブすることは全然可能です。
そこまで潜らなくてもという方は1ダイブにすれば朝もゆっくり寝れるでしょう。
でもこの後、帰りの船でぐっすり寝れるので、僕は2ダイブ行くことをオススメします。
13時45分 三宅発
飛行機とちがって橘丸は横になって寝ることが出来ます。
到着は19時50分、約6時間寝ることが出来ます。
そのため三宅島では体力の限界まで遊んでも、東京行きの船で寝ておけば、体力が戻った状態で月曜日の仕事に復帰できるはずです。
僕も銀行で働いていた時はそのパターンで潜り行ってましたが、めちゃくちゃ良いですよ。
おわり
三宅島は土日だけで4ダイブしてイルカと泳ぐことも出来て、最後は仮眠まで取って体力戻った状態で家に帰ってこれます。
平日に仕事をしている人にとって最高に嬉しい環境が整っています。
全サラリーマンに行って欲しい!
しかもダイビングも黒潮の影響を受ける豊かな面白い海で、火山の作った大自然の中で陸も海の中も大満足すること間違いなし。
なにもない三宅島。
だからこそいい。
伊豆でもなく沖縄でもない三宅島のダイビング旅で癒やされてみませんか?
三宅島の魅力をYouTubeでも公開中!!
写真だけでは伝えきれなく、文章だけでは伝わらない。
そんな海のリズムやざわめきを伝えたくて映像でも三宅の魅力を発信しています!
良かったら合わせて見てね!!
取材協力:三宅島BIRDY
三宅島の海に通い始めて10年を越え、学生時代にはバイトもしていた思い入れの深い海です。